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メンタル不調者が多い原因の見つけ方とは?

2017/11/16

 

*当記事は「医者と学ぶ心のサプリ」から許可を受けて転載しています。

 

メンタル不調者が多い原因の見つけ方とは?

 

 

企業活動を分析するときに使われるフレームワークとして、

「バリューチェーン」というものがあります。

 

このフレームワークは、事業のプロセスに分けて、

顧客にとって価値をどのようにして作っているのかを分析するためのものです。

そして、より良いものを作るにはどこを改善すればいいのかを分析していきます。

 

このようにフレームワークを使うと、改善点を網羅的に考えて、

その改善点の問題の大きさを正確に捉えることができます。

 

今回はバリューチェーンを使って、

「企業におけるメンタル不調者が多い原因」を考えてみましょう。

 

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1.メンタル不調者が多い原因を
  いきなり考えてはダメ

プロセスをしっかりとみないと、本当の原因を見落とします。

 

メンタル不調者が多いことは非常に大きな会社としての損失です。

会社としては、採用・教育とお金をかけています。

1人前まで育つまでには時間がかかりますので、

けっこうなコストがかかります。

 

大企業では採用人数も多いので、

そこまで大きなダメージはないかもしれません。

 

ですが中小企業では、

採用人数が少ないのでコストもよりかかりますし、

よい人材を確保できる可能性は下がってしまいます。

中小企業であればあるほど離職率の高さは、

会社活動に大きな影響となってしまいます。

 

メンタル不調が多い原因は何だろう?と考えた時に、

「残業が多いからだ」

などといきなり考えてしまうと、

本当の理由がわからなくなってしまいます。

 

そうすると改善策としては、

「給料をあげればよい」
「本人がやりがいを感じる職場に配置換えする」

などとなってしまうかもしれません。

 

でも本当は、教育が不十分なのかもしれません。

そもそも採用時点でミスマッチなのかもしれません。

 

このように、具体的な改善策(アクション)からいきなり考えてしまうと、

問題の本質を見落としてしまうことがあります。

 

2.価値ある人材を作っていくバリューチェーン

人材の問題を考える時は、

人を商品ととらえてバリューチェーンを考えると本質がみえてきます。

 

いきなり思い当たる原因や対策から考えてしまうと、

本質とは違った方向にすすんでしまうことがご理解いただけたかと思います。

 

ですから、ひとつの枠組みの中で網羅的に分析をすることが必要です。

そのひとつの方法がプロセス分析です。

 

プロセスを考えて分析をしていくという方法としては、

経営学的にはバリューチェーンというフレームワークがあります。

 

バリューチェーンとは、事業をプロセスごとに分けて、

顧客にとって価値をどのようにして作っているのかを分析していきます。

 

より良いものを作るにはどこを改善すればいいのかと

アクションをみつけていくのです。

 

シンプルに、製造業のバリューチェーンを考えてみましょう。

 

製造業のバリューチェーンを例示します。

 

 

 

 

このように、まずは商品が作られていくプロセスを考えます。

そして、プロセスごとに要因を検討していきます。

 

人材を商品としてとらえてみて、

バリューチェーンを作ってみましょう。

 

会社は、「価値ある人材をつくっていく」と考えてみてください。

 

人材のバリューチェーンを作ってみました。

 

 

 

 

ひとりの社員が入社し、

成長しながら退職していくまでのプロセスを考えてみました。

 

このプロセスを考えながら問題を考えていくと、

本当の引っかかりどころが見えてきます。

それに基づくアクションプランをたてられるので、

効果的なアプローチをとることができるのです。

 

3.メンタル不調者が多い原因とは?

それぞれのプロセスごとに、自社の問題を考えていきましょう。

すると、具体的なアクションプランが見つかります。

 

ようやく本題にはいってきました。

メンタル不調が多い原因とは、いったい何でしょう?

 

この原因とは、一般化できるものではありません。

それぞれの企業によって異なるものです。

 

大切なのは、プロセスを順々にたどりながら自社の問題を考えていくことです。

そうしていくことで、引っかかりどころが 見えてきます。

 

以下のように、思いつく原因をどんどんあげていきましょう。

 

<採用>

  • 求人のマーケティングミス
  • 休職者への説明の仕方(業務への理解がえられていない)
  • 入職待遇がよくない
  • 採用方法や評価の問題
  • 採用担当者と現場での理想像の不一致

 

<教育>

  • 教育体制の問題
  • 教育方法の問題
  • 達成感や向上心の持ちにくさ
  • 長期的な自身の成長の可能性の見えなさ

 

<配属>

  • 業務内容と価値観の不一致
  • 上司のマネージメント能力の問題
  • 人間関係の問題
  • 業務スタイルの問題
  • 地域性が合わない

 

<ひとり立ち>

  • サポート体制の不備
  • 属人的な業務の多さ
  • 横のつながりの少なさ
  • 責任の大きさ
  • 顧客と自社や関係各社との板挟み
  • 相対的な賃金の低さ
  • ワークライフバランスの合わなさ

 

<異動>

  • 業務内容と価値観の不一致
  • キャリアプランとの乖離
  • 人間関係の問題
  • 地域性が合わない

 

<出世>

  • 評価制度の不透明さ
  • 表彰の機会の少なさ
  • ワークライフバランスの変化

 

あくまで一例ですが、

このように各プロセスを考えて、自社の問題点の仮説をたてます。

それをアクションプランに落としていきます。

 

アクションプランは、「誰が」「いつまでに」行うかを

確実に決めることが大切です。

 

離職率の改善のためには、

このようにして本当の理由を見つけていくことが大切です。

 

4.メンタル不調になる原因は
  「人・金・やりがい」?

独自のフレームワークを持たれている方は、

両方の観点から分析してみてください。

 

私が産業医でご縁いただいている企業の部長さんが、

このようなことをおっしゃいました。

 

「私の経験上、メンタル不調になる原因は、人・金・やりがいの3つのどれかなんですよ」

 

長年、いろいろな人をマネージメントしてきて出てきた

何気ない言葉なのだと思います。

 

知らず知らずに、

ご自身の中でフレームワークを作って分析されていたのだと思います。

 

このような独自で培われた経験に基づくフレームワークは、

大事にしていただきたいです。

 

  • 人→上司・部下・同僚・客など
  • 金→給料水準・給料体系など
  • やりがい→業務不適応・裁量権のなさ・達成感の少なさなど

 

このような形になるでしょうか。

ですが、このフレームワークではどうしても漏れてしまう部分が出てしまいます。

そのことも意識して、プロセス分析と合わせて行っていただく方がよいと思います。

 

まとめ

プロセスをしっかりとみないと、本当の原因を見落とします。

人材の問題を考える時は、

人を商品ととらえてバリューチェーンを考えると本質がみえてきます。

 

それぞれのプロセスごとに、自社の問題を考えていきましょう。

すると、具体的なアクションプランが見つかります。

 

独自のフレームワークを持たれている方は、

両方の観点から分析してみてください。

 

 

 

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