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夜間、子どもの具合が悪くなったとき、遠隔診療で診て貰いたい ~育児中の女医の経験

2017/11/25

 

*この原稿はMRIC by 医療ガバナンス学会の許可を受け転載しています。

 

大島久美

2017年11月7日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

 

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夜間や休日に子供の具合が悪くなった時、どうしますか?

対処方法が正しいか、

診療時間外に病院を受診した方が良いか、など判断に迷いませんか?

 

私は、現在、いわき市で、1歳児の育児中の内科医です。

 

先日、金曜日の夕方に子供が発熱しました。

その夜、40度を超す発熱が続きましたが、

比較的元気で水分摂取もできましたので、自宅で様子を見ました。

 

そして、土曜日、小児科の通常診療を行っている医院を探して受診しました。

鼻汁と咳もありましたので去痰剤を処方されましたが、

「かかりつけではないので、週明けに熱が続いていたらかかりつけ医を

受診して下さい」と言われたのみで、状態についての十分な説明も解熱剤の

処方もありませんでした。

 

受診後も発熱が持続し、

子供の活気もだんだんなくなってきて解熱剤が必要と考えたため、

薬局で購入して対応しました。

 

土曜日の夜から皮疹が出現しましたが、

何とか水分をとることはでき尿も出ていましたので、

緊急で時間外診療を受診する状態ではないと考え、

週明けまで自宅で様子を見ました。

 

インターネットで調べたところ、

いわき市の「休日・夜間診察病院」は1か所のみでした。

1か所しかない救急病院ですので、

特に、緊急性のない受診は控えるべきと考えます。

 

しかし、受診の必要性の判断は難しいと思います。

医学的知識があっても不安になります。

 

子供のつらそうな様子をずっと見ていたり、

周囲から「本当に大丈夫?」「病院に行かなくてよいの?」と言われたり

すると、不安は増します。

 

特に、夜は人間を不安にし、時間の経過を遅く感じさせます。

さらに、子供の病状は刻々と変化します。

このような時、「安心」と「安全」は違うと実感します。

 

最近は、ウェブサイト「こどもの救急」など

判断の参考にできる情報もいろいろと入手できます。

 

また、厚生労働省の提供する小児救急電話相談(#8000)で

電話相談をするという方法もあります。

 

平成25年度実績報告では、

いわきのこども救急電話相談の件数は1713件(のべ365日)でした。

 

平均すると1日あたり4-5件の計算になりますが、

いわき市の人口(346119人、年少人口(0-14歳)41102人、平成29年4月1日)から

考えると少ない印象です。

 

手段を知らない場合も多いのかもしれません。

そして、知っていたとしても、

「自分が子供の状態を正確に把握できるか?」

「状況を十分に説明できるか?」などと考えると、

時間外受診を第一選択とするかもしれません。

 

休日や夜間のコンビニ受診が問題視されるようになって

かなりの時間が経過しています。

 

「コンビニ受診」とはウィキペディア(2014年12月29日)では

「一般的に外来診療をしていない休日や夜間の時間帯における、

本来は救急外来を受診する緊急性のない軽症患者の行動のこと。」

となっています。

 

休日や夜間の小児科の受診では軽症が多いことが指摘されております。

その原因の一部には、

この「安心」の問題があるのではないかと思います。

 

実際、医学的知識があるはずの自分でも、

受診して安心したい、という考えが頭をよぎりました。

 

このような時、電話相談だけでなく遠隔診療が可能となれば、

役に立つと考えます。

 

対面診療とは異なりますが、子供のぐったりした様子、

特に今回のような皮疹などを実際に確認してもらうことが可能ですので、

安心できます。

 

遠隔診療において夜間・休日の救急外来受診の必要性を判断することで、

振り分けの機能を果たすことが可能です。

 

振り分けが可能となれば、

小児の発熱や皮疹の場合、感染性疾患の場合も多いので、

受診による感染症の拡散防止に役立ちます。

 

さらに、患児や保護者にとっても通院や待ち時間の負担軽減になるだけでなく、

病院にとっても混雑の緩和につながり、

夜間や救急診療の本来の対象である

緊急性のある重症患者さんに力を割くことができるようになります。

 

そして、遠隔診療であれば、

地域の病院との連携が必要ではありますが、

医療過疎の地域でもアクセスが可能です。

 

厚生労働省は、これまでに何度か

遠隔診療の基本的考え方や医師法第20条等との関係から

留意すべき事項を示した通知を発出し、

柔軟な運用が許容されるようになってきています。

 

また、政府もスマートフォンやパソコンのビデオチャット機能を使い、

インターネットを介して医師が診療を行う遠隔診療(オンライン診療)を

2018年度診療報酬改定で評価する方針を表明しており、

今後の普及が考えられます。

 

夜間・休日の救急外来受診の振り分け機能としての遠隔診療は、

検討に値する分野なのではないでしょうか?

 

そして遠隔診療であれば、

私のような育児中の女性が在宅等で勤務できる可能性も考えられ、

人的資源の有効活用にもつながるかもしれません。

 

 

【参考】
1)http://kodomo-qq.jp/
2)https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21045c/iryou-kodomokyukyu.html
3)http://www.city.iwaki.lg.jp/www/genre/1455071990247/index.html
4)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%93%E3%83%8B%E5%8F%97%E8%A8%BA
5)http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/johoka/index.html
6)http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/

 

 

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