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ノロウイルスの流行時期とは?

2017/12/09

 

*当記事は「医者と学ぶ心のサプリ」から許可を受けて転載しています。

 

ノロウイルスの流行時期とは?

 

ノロウイルスは冬に流行する食中毒として有名です。

 

ノロウイルスの流行時期は、どうして冬なのでしょうか?
ノロウイルスによる食中毒はどのような特徴があるのでしょうか?

 

ここでは、ノロウイルスの流行時期と

食中毒の特徴についてお伝えしていきたいと思います。

 

ノロウィルス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.ノロウイルスの流行時期とは?

ノロウイルスは1年中ありますが、

11月~12月にかけて一気に増加します。

 

年明けからすぐに減少し、

2月から夏にかけて少しずつ減少していきます。

 

ノロウイルスは冬に流行る胃腸炎として有名です。

具体的には何月から認めれれて、

いつまで流行が続くのでしょうか?

 

実際に統計をみてみましょう。

 

ノロウイルスの2015年までの流行状況についてのグラフです。東京都感染情報センターからの引用です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京都感染症情報センターの統計をまとめたものになります。

2015年のデータは、

引用した41週時点(10月11日)までの統計となっています。

 

こちらの図を見ていただくと、

例年同じようなパターンになっていることが分かるかと思います。

 

およそ45週(11月中旬)から増加がみられて、

12月がピークになります。

 

年明けは医療機関がお休みのために減少しますが、

6週(2月中旬)くらいで落ち着いていきます。

そこから、夏場にかけて少しずつノロウイルス感染が減少していきます。

 

2.なぜノロウイルスが冬に流行するのか?

忘年会のシーズンであることが大きいです。

また、牡蠣がおいしくなる時期も関係しています。

 

ノロウイルスは冬にだけあるウイルスではありません。

1年中存在していますが、

普段はそこまで流行しないために注目されていないだけです。

 

ノロウイルスの流行とは、

牡蠣の生食と大きく関係しています。

 

牡蠣は、産卵を終える11月頃から美味しくなり始めます。

もっともおいしくなるのは産卵の準備にはいる3~4月頃で、

11月~3月は「旬の時期」になります。

ですから、11月頃から感染者が増加し始めます。

 

ノロウイルスは人の腸管だけで増加します。

このため、ノロウイルスの感染者が増えれば、

下水を通してノロウイルスが河川にあふれます。

河川でプランクトンを大量に食べている牡蠣をはじめとした二枚貝が、

ノロウイルスに汚染されてしまいます。

 

このようにして、

ノロウイルス感染の悪循環が11月頃から始まります。

 

12月といえば、忘年会の時期ですね。

この忘年会が、ノロウイルス感染の拡大に拍車をかけます。

忘年会で牡蠣を食べる機会が増えるというわけではありません。

外食する機会が一気に増えてしまうことが問題なのです。

 

お店も忙しくて、

トイレをはじめとした清掃が不十分になってしまうこともあります。

 

お酒がはいってしまうと、

手洗いなども不十分になってしまうこともあるでしょう。

 

調理する方も人手が足りないので、

無理して仕事をする方もいらっしゃるかと思います。

 

このような原因で、

ノロウイルスの二次感染が起こりやすくなっているのです。

 

このため、12月に感染者が急増してピークとなります。

ノロウイルスのせいで、年末年始を台無しにされてしまいます。

 

年が明けると、ノロウイルス感染は落ち着いていきます。

ですが完全にはなくならず、

貝の生食によるノロウイルス感染は夏まで続きます。

 

3.夏と冬の食中毒の違い

夏は細菌性、冬はウイルス性の食中毒が中心です。

ウイルス性のほとんどは、ノロウイルスが原因です。

 

食中毒の原因になる病原体には、

細菌とウイルスの2種類があります。

 

食中毒の発生状況は季節によっても変化していきますが、

夏は細菌、冬はウイルスに気を付ける必要があります。

 

4月・5月と暖かくなるにつれて、細菌が繁殖しやすくなります。

7月~10月にかけて細菌性食中毒がピークになり、

少しずつ冬にかけて少なくなっていきます。

 

その一方で、11月~2月にかけて

ノロウイルスによるウイルス性食中毒が流行します。

 

夏の食中毒は細菌性で、

冬の食中毒はウイルスが中心です。

 

同じ食中毒でも、その発生の特徴には違いがあります。

まずは、細菌性とノロウイルスの食中毒患者数をみてみましょう。

 

食中毒の患者数を3年間通算して、細菌性とウイルス性で比較しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このように、食中毒の患者数だけでみるとノロウイルスの方が多いです。

ですが、ノロウイルスは感染力が強いので、

ひとたび発生すると一気に広がってしまうという特徴があります。

 

1事件あたりの患者数を比較してみましょう。

 

1回の食中毒が起こった時の、患者数の平均を細菌性とウイルス性で比較しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このように、ノロウイルスは感染力が非常に強く、

10~100個のウイルスが体内に入ってくるだけで感染します。

 

一方で細菌では、菌が食べ物の中で増殖して増えて、

それを食することで感染します。

 

ノロウイルスでは、

「いかに周囲からもらってこないようにするか」が大切です。

 

細菌性では、「いかに細菌を増やさないようにするか」が大切です。

 

まとめ

ノロウイルスは1年中ありますが、

11月~12月にかけて一気に増加します。

 

年明けからすぐに減少し、

2月から夏にかけて少しずつ減少していきます。

 

冬にノロウイルスが流行する原因としては、

忘年会のシーズンであることが大きいです。

また、牡蠣がおいしくなる時期も関係しています。

 

 

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