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内科のかかりつけ医を選ぶポイントとは?

2017/12/14

 

*当記事は「医者と学ぶ心のサプリ」から許可を受けて転載しています。

 

内科のかかりつけ医を選ぶポイントとは?

 

もしもあなたが病気になったら、

「この病院で診てもらう」というかかりつけ医はお持ちでしょうか?

 

最近はクリニックも増えてきていて、

どこに行ったらよいのか迷われている方もいらっしゃるかと思います。

 

昔から通っていたクリニックの先生がお年を召されてきて、

「大丈夫かな?」と心配になった方もいらっしゃるかもしれません。

 

知識と経験が備わって一番医者としての力量が高まるのは、

30代・40代かと思います。

 

これはどの業界でも同じでしょう。

医学の世界は日進月歩で、知識はめまぐるしく更新されていきます。

 

しかしながら人を診るという技術は、

知識と経験だけでは測れません。

 

基本的な医師の患者さんに対する姿勢や医療への考え方が大切になります。

これらは診察の中で、垣間見ることができます。

 

ここでは、かかりつけ医を選ぶにあたって、

診察をしてみて判断するポイントについてお伝えしていきます。

 

かかりつけ医転職

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.診療中に医師から問診・診察があるかどうか?

医療は問診・診察所見・検査所見から多数の病気を鑑別し、

ある程度絞って治療します。

それができていない場合は注意が必要です。

 

医師の診察の基本として、

SOAPと、医者になった最初に教わります。

 

SOAPとは以下の事を示します。

  • S(Subject):主観的データです。主に患者さんからのお話の内容です。
  • O(Object):客観的データです。身体診察や・様々検査から得られた情報です。
  • A(Assessment):SとOの情報を元にした評価です。つまり診断になります。
  • P(Plan):Aを元にした計画です。つまり治療方針ということになります。

 

これを基本にカルテは記載されますし、

医者の頭の中で考えていくことも、

基本はAとPを決めるためにSとOを充実させていくことになります。

 

特に現在の医療はどの医師がみても同じような診断が下されるように、

症状別や疾患別に細かくガイドラインが作成されています。

 

医師にはこのフローチャートが頭に入っていて、

SとOからどの病気か考えながらAとPを決めていくのです。

 

凄く簡単なフローチャートを一例あげてみましょう。

咳の患者さんが来たとします。この時、

 

フローチャート

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このような情報から病気を見分けていきます。

咳という症状について詳しく患者さんに尋ねることで、

様々な病気が原因として考えられるのです。

 

具体的には、

  • 急性乾性咳嗽・・・マイコプラズマ肺炎など特異的な肺炎、感染後咳嗽
  • 急性湿性咳嗽・・・肺炎、咽頭炎、鼻炎
  • 慢性乾性咳嗽・・・喘息、アトピー性咳嗽、薬の副作用
  • 慢性湿性咳嗽・・・結核、肺癌、COPD(肺気腫)、副鼻腔炎、逆流性食道炎

 

このように、咳の性質で病気を絞っていくことができます。

 

さらに細かく考えていくために、感染症を疑ったら、

  • 熱はあるか?
  • 喉は痛いか?

などを患者さんに問診していきます。

 

(S)の問診である程度疑う病気を絞ったら、次は診察(O)です。

喉の視診や胸の聴診などです。

 

問診(S)である程度絞ってから診察(O)をすることで、

最終的に診断(A)もしくは疑う病気を決めて治療(P)にしていきます。

 

このようなガイドラインをはじめとした

病気の見分け方が頭に入ってない医師は、

そもそも最初の問診(S)で何を質問すれば良いかも分かりません。

 

  • (S)咳をしてます→(P)じゃあ咳止めを処方しますね。

 

といった対症療法になってしまいます。

 

咳一つでも、色々な病気が鑑別にあがります。

中にはほっといたら大変な病気もあります。

 

診察を受けた際にすぐに薬を出してくれるのは良い医師とはかぎりません。

医師からしっかりと問診を受けたかどうかは、

良いクリニックかどうか見分けるポイントになります。

 

どんな症状でも、最低1~2回医師から問診があってしかるべきです。

問診や診察するのは、あくまでも医療の最低限のラインです。

 

逆にいえばこれができていたら「良いクリニック」というよりは、

「最低限できるクリニック」と考えた方が良いでしょう。

 

大切なのは診断(A)がある程度できていて、

治療(P)されているかどうかです。

 

もし問診や診察で不安を感じた場合は、

「自分はどのような病気なのでしょうか?」と聞いてみましょう。

 

なかなか初診でズバッと確定診断をつけることは難しいことが多いです。

「○○の病気です」とすぐ断言できないこともありますが、

「○○と○○が疑われる」くらいまでの答えは返ってくるはずです。

 

2.症状が治らない、
  悪くなった時に適切なタイミングで
  総合病院を紹介してくれるか?

症状が治らないということは、

病気が続いているということです。

放っておくと命にかかわります。

 

医師が最初に疑ったり、

診断した病気が違っていたというのは、

医療の世界では日常茶飯事です。

 

それくらい最初に全てを診断するというのは実は難しいのです。

大切なのは、最初に治療した効果をみて適切な評価が下せるかどうかです。

  • 痛い
  • 苦しい
  • 熱がある

 

これらはどれも、「体に異常があるよ」という身体の警報になります。

症状がある時に、漫然と咳止めや熱さまし、

痛み止めなどを続けているのは非常に危険です。

これらの薬は症状を緩和する薬であって、病気を治す治療ではありません。

 

このことをよく知ってる医師は、治療効果が乏しければ、

  • 自分の疑ってる病気で治療のお薬が足りてないか?
  • 自分の疑ってる病気ではそもそもないか?

のどちらかを考えていきます。

 

そしてこの次の一手を打てるかどうかが、

良いクリニックかどうかのポイントになります。

 

特にクリニックでは、どうしてもできる検査に限界があります。

そのため症状が治らなければ、

大きな総合病院へ紹介してよく調べてもらうのが普通です。

 

症状が治らないといってるのに検査や診察せず、

薬だけ処方を続けるところはかなり危険です。

 

総合病院へ患者さんを紹介するということは、

クリニック側からすると

お客さんが一人減ってしまい紹介状を書く労力もあるので、

クリニックにプラスになることはないのです。

 

しかし総合病院へ勤めていたことがある医師だと、

適切なタイミングで紹介しないと

大変なことになるということがよくわかってるはずです。

 

自分の身は自分で守るためにも、

漫然と薬だけ処方されていると感じたら、

総合病院へ紹介状を書いてほしいと自分から切り出してみましょう。

 

3.話を聞いてみて分かりやすいかどうか?
  質問にしっかりと答えてくれるかどうか?

患者さんに今の症状を分かりやすく伝えられなければ、

意味がありません。

 

どういった診断で、

どうしてこの治療をするのかを患者さんに納得してもらえなければ、

良い医療にはならなくなります。

 

診療の技術が素晴らしい医者でも、

最後の最後にそれが患者さんに伝わらなければ何の意味もありません。

 

どんなに過程が素晴らしくても、

患者さんにそのことが伝われなければ全く意味がないのです。

 

医者の説明が伝わらないのには、色々な理由があると思います。

  • そもそも医者自体がしっかりと病状を把握できていない。
  • 医療用語が並びすぎていて言っていることが難しくて理解できない。
  • 早口すぎて、あるいは声が小さすぎてよく聞こえない。
  • 「ちょっと」「たぶん」「一応」などの言葉が多すぎてあいまい。

 

私は必ず、「話した内容で分からないことはありましたか?」

「何かご質問はありますか?」と聞くように心がけています。

一方通行の医療ではいけません。

 

そして患者さん側も、

わからないことがあればちゃんと質問するようにしましょう。

良心的な医師であれば、

患者さんが納得するように説明をしてくれるはずです。

 

4.クリニック自体がどうか?
  電子カルテを使用しているかどうか?

良い医師がみてるから良いクリニックとは言えません。

特に電子カルテは、今や良い医療のための必需品だと感じています。

 

これまでは、「良い医師かどうか?」に重きを置いてお伝えしてきました。

しかし良い医師が診療しているからといって、良いクリニックとは限りません。

 

クリニック自体に問題があれば、良いクリニックとは言えません。

  • クリニックが清潔ではない
  • クリニック内でスタッフから挨拶がない
  • クリニックの待ち時間が長すぎる

 

実は良い医療を提供すれば良いクリニックと考えている医師は多いです。

しかし医療もサービス業です。

 

クリニックに入ってから外に出るまで、

患者さんが不快にならないように心がけることも大切です。

ただしこの辺りは私が細かく書かなくても、

患者さん自身が感じることですので割愛しようと思います。

 

患者さんが気づきにくいポイントをあげるならば、

「電子カルテを使用しているかどうか」です。

 

昔は紙カルテが当たり前でした。

乱雑な字の医者が多く、

本人とベテランの職員にしか読めないなんていうこともありました。

 

現在は様々な文章が電子化されていますが、

医療業界でも紙カルテから電子カルテに少しずつ移行しています。

しかしながら、昔からあるクリニックは紙カルテのままのことも多いです。

 

紙カルテのよさもあります。

患者さんはしっかり診てもらえた気がしますし、

ブラインドタッチができないと医師は画面ばかりを見がちになります。

 

しかし電子カルテは紙カルテよりも、

しっかりとした医療をすることができます。

 

電子カルテには、以下の3つの利点があります。

  1. カルテ自体を素早くまとめられる。
  2. 文字が読みやすく他の人に伝えやすい。
  3. 過去の情報を整理しやすく、診療情報提供書を作成しやすい。

 

電子カルテに慣れれば、素早く情報がまとめられます。

カルテが早く書ける分、患者さんの診察や問診自体に時間がかけられますし、

何より診察の効率も上がります。

 

紙カルテだと早く患者さんを診ようとすると、

  • 情報量が少なくなる
  • 字が殴り書きで読めない

といった問題が多々起こります。

 

そもそもカルテはなぜ記載するのでしょうか?

カルテには、

  1. 患者さんの情報をまとめて次の診療にいかす。
  2. 自分以外の医師にも情報を共有する。

の2つの重要な要素があります。

 

特に他の人に情報を伝えることが非常に大切になります。

自分が読めればそれで良いというわけではないです。

 

仮にその先生が病気で倒れた時は、

カルテをもとに他の先生が診ることになります。

その時に全く読めないと、情報が皆無になります。

一から診療をしなければならないですし、

場合によっては事故のもとにつながりかねません。

 

そしてこのことは、診療情報提供書の作成につながります。

診療情報提供書とはクリニックから総合病院へ紹介する時に作成する文章になります。

 

この診療情報提供書は、

クリニックと総合病院を結ぶ唯一の情報源となります。

 

私も総合病院で勤めて感じるのですが、

手書きの半分以上は読めない、もしくは読みづらいことが多いです。

さらに一から文章を作成するため、内容が短いことも多いです。

 

内服薬一つとっても色々な種類を飲んでる患者さんは、

それを書くだけで時間がかかりますし、何より間違いのもとです。

その点電子カルテですと、情報を正確に送ることが可能です。

 

そしてこれまでの治療を振り返るときには、

電子カルテの方が圧倒的に楽です。

過去の検査データも、比較してみることができます。

 

紙カルテのクリニック全てを否定するつもりはありません。

ですが電子カルテの方がより早く、

より正確に情報が伝わることが多いです。

結果としてよい医療につながることが多いかと思います。

 

まとめ

都心部を中心に、今やクリニックは非常にたくさんあります。

電柱や駅の広告などでクリニックの名前をみる機会が多いのではないでしょうか?

 

「内科」や「外科」といった標榜をみて患者さんは受診するかと思いますが、

この標榜には麻酔科以外規制がありません。

極論をいえば麻酔科以外の全科を標榜しても問題はないわけです。

 

しかし実際に一人の医師がブラックジャックのように何でも対応はできません。

どの医師も、得意分野と苦手分野が必ず存在します。

 

それを踏まえて標榜しているクリニックなら良いのですが、

場合によっては医師が患者さんの数を集めるために、

少し無理して手を広げているクリニックも数多くあります。

 

特に内科は、

研修医として医師の最初の1~2年間は必ず経験を積みます。

数ヶ月研修したから全く診れないことはないだろうと、

安易に手を出す医師もいます。

 

しかし内科は、命にかかわる病気が多い科です。

適当に治療されたらとんでもないことに・・・という患者さんも

少なからずいらっしゃいました。

 

この記事を参考にしていただき、

安心して自分の健康管理をまかせられるような

信頼できるかかりつけ医を見つけてください。

 

受診する前に、ホームページを見るだけである程度判断がつきます。

 

 

 

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