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中国における精密医療(Precision Medicine)「大規模自然コホート研究」等の特別重点科学技術プロジェクトの始動

2018/03/29

 

*この原稿はMRIC by 医療ガバナンス学会の許可を受け転載しています。

 

上海復旦大学公衆衛生学院疫学講座主任教授
趙根明

2018年3月8日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

 

医師転職中国

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

精密医療(Precision Medicine)は、

臨床医学を実践する上で、

生物技術と情報技術を融合して応用したものであり、

医学発展における最先端の動きである。

 

精密医療研究を系統的に強化することは、

重大な疾病を未然にコントロールする技術の改良を早め、

将来的には医学及び関連産業における主流となるだろう。

当然、ライフサイエンス産業の

新たなエンジンを作り上げる上でも非常に重要である。

 

中国は、2016年に、

「百万人自然集団コホート研究」等の

精密医療特別重点科学技術プロジェクトを立ち上げた。

 

この特別プロジェクトの期間は2016-2020年であり、

12億元位の資金が投入される予定である。

この特別プロジェクト全体の目標は、以下に挙げる通りである。

 

「中国において発症率の高い疾患、

重大なリスクを有する疾患及び相対的に有病率の高い希少疾患を切り口に、

精密医療研究の関係者全体による協調的な課題解決を目指し、

百万人以上の大型健康コホート、

重大疾患コホート及び専門疾患コホートを構築する。

多層的な精密医療知識基盤システムと

安定的で操作可能な生物医学ビッグデータ共有のための

プラットフォームを作り上げる。

 

さらに、次世代のフィジオーム臨床応用技術と

生物医学ビッグデータ分析技術を開発することで、

革新的な疾病早期アラート診断そりゅーそYンシステム、

診断、治療と治療効果評価の生物マーカー、

製剤の実験・分析の技術体系を作り上げる。

 

これら基礎的なデータに加え、

臨床応用に向けて、重大な疾患の分類、

リスク評価、予測・早期警報、早期スクリーニング、

個別化医療の治療効果と

安全性予測及び監視等の精確な予防・診療ソリューションと

臨床意志決定システムを形成する。

 

また、精密医療の全プロセスに応用できる

生物医学ビッグデータの参照・諮問、臨床における

分析判断と精確な意志決定に使用できるプラットフォームを形成する。

 

中国人の集団における典型的な病気への臨床的対応のデモンストレーション、

応用とプロモーション・システムを建設し、

一群の精確な治療薬物と分子検査・測定技術製品の保険適用を推進する。

 

これらの活動により、健康レベルを著しく向上させ、

無駄な医療や過剰医療・有害な医療を減らし、

且つ、医療費の急激な増加を抑制する為の科学技術的なサポートを提供し、

精密医療を経済社会発展の新成長点にする。」

 

本特別プロジェクトは、

全チェーン配置と一体化実施の原則に基づき、

新世代の臨床用フィジオーム研究開発、

大規模な群体コホート研究、精密医療のビッグデータの統合、

蓄積、利用と共有プラットフォームの設立、

疾病防止・診療ソリューションの高精度研究及び

精密医療デモンストレーションシステム構築等の

五つの主要なタスクを設定した。


精密医療の専門項目研究の重要な構成要素として、

「大規模自然コホート・デモンストレーション研究」と

「区域自然コホート研究」という二つのプロジェクトを立ち上げる。

これに対する助成金は約2.5億人民元である。

 

1. 大規模自然コホート・デモンストレーション研究

研究内容は下記の通りである。

 

まず、コホート設立のための基準と操作フローを確立し、

基準の統一と情報共有を行うことで、

代表的な集団の大規模健康コホートを作り上げる。

 

この大型健規模コホートに対し、

長期的なフォローアップを実施することによって、

代表群体の全次元的で動態的で定量的な、

生命活動全体のデータベースと

知識基盤のフレームワーク・システムを構築する。

それに加えて、サンプルとデータ共有の仕組みを作り上げる。

 

2. 区域自然集団コホート研究

区域自然集団コホート研究は、

以下の各区域における研究からなっている。

 

京津冀区域自然集団コホート研究、

華中区域自然集団コホート研究、

華東区域自然集団コホート研究、

華南区域自然集団コホート研究、

西北区域自然集団コホート研究、

西南区域自然集団コホート研究と東北区域自然集団コホート研究。


区域自然集団コホート研究の主な研究内容は、以下の通りである。

まず、各区域において、

少なくともサンプル数10万の自然集団コホート建設を完成する。

 

その際、フォローアップ期間が5年を超え、

5年のフォローアップ脱落率を10%以内に抑えるようにする。

 

また、デモンストレーション・コホート研究で提供された

技術および標準化された仕様を採用し、

効率的な最終イベント発生追跡システムを作り上げる。

 

これらの研究を用いて作り上げたサンプルとデータを、

今回の特別プロジェクトにおいて共有し、

精密医療ビッグデータのプラットフォームに提出して統一的に管理する。

 

 

 

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