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カルシウム拮抗薬のまとめ(降圧薬)

2018/11/04

 

*当記事は「医者と学ぶ心のサプリ」から許可を受けて転載しています。

 

カルシウム拮抗薬のまとめ(降圧薬)

 

カルシウム拮抗薬はもっともよく使われている降圧薬です。

降圧効果が確実に期待できますし、

身体の臓器にもやさしい薬です。

 

ここでは、最新のガイドラインに基づいて、

降圧薬としてのカルシウム拮抗薬についてを

お伝えして行きたいと思います。

 

カルシウム拮抗薬

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.カルシウム拮抗薬の作用機序

血管を拡張させて、血圧を低下させます。

 

カルシウムは骨の成分として有名で、

99%は骨に含まれています。

 

ですが、カルシウムの働きはそれだけではありません。

残りの1%は、

脳の記憶や運動機能の調節などに欠かせない働きをしています。

 

血管の収縮にもカルシウムが関与しています。

血管には血管平滑筋という筋肉があり、

この筋肉の伸び縮みによって血管の太さがかわってきます。

 

この筋肉にはカルシウムが流入するための受容体が存在しており、

カルシウムが入ってくることで筋肉が収縮して血管が縮まります。

血管が収縮すると、中を流れる血液は窮屈になるので、

その分だけ血圧が高まってしまいます。

 

ということは、

この逆の作用を行えば血管を拡張させられれば、

血圧を下げられますね?

 

カルシウムが流入するための受容体を阻害すれば、

血管収縮が抑えられて、

血管が拡張するようになります。

 

その結果、血圧が下がるために高血圧が改善します。

このように、カルシウムが流入する受容体を

阻害する事で血管を拡張させ、

高血圧を治療する薬をカルシウム拮抗薬と呼びます。

 

2.カルシウム拮抗薬の種類と特徴

降圧薬の中でも、血圧を最も下げる薬です。

 

  • <ジヒドロピリジン系>

    • ニフェジピン(®アダラート)
    • アムロジピン(®ノルバスク・®アムロジン)
    • シルニジピン(®アテレック)
    • ニカルジピン(®ペルジピン)
    • ベニジピン(®コニール)
    • アゼルニジピン(®カルブロック)
    • ニトレンジピン(®バイロテンシン)
    • マニジピン(®カルスロット)
    • ニソルジピン(®バイミカード)

 

  • <ベンゾジアゼピン系>

    • ジルチアゼム(®ヘルベッサー)

 

カルシウム拮抗薬は、

血管を拡張させることによって血圧を下げます。

 

血圧には大きなインパクトがあり、

純粋に血圧を下げる力だけをみると、

さまざまな降圧薬の中でも最強といえます。

 

血管を収縮させながらも、

身体の臓器血流はしっかり保たれるので、

臓器障害がある方や高齢者にも優しい薬です。

 

カルシウム拮抗薬には、

ジヒドロピリジン系とベンゾジアゼピン系の2種類があります。

 

前者の方が血管拡張作用は強く、

すぐにしっかりと効果がでてきます。

 

降圧薬として使われるのは主にこちらになります。

 

後者としては、血圧を下げる力は緩やかですが、

心臓の働きを抑えます。

 

ですから、冠動脈が勝手に収縮してしまう安静時の狭心症など、

心臓に休んでもらいたいときに使います。

 

3.カルシウム拮抗薬の副作用

副作用としては、動悸・頭痛・ほてり・むくみ・便秘などがよくみられます。

カルシウム拮抗薬の副作用としては、大きく3つの原因があります。

 

  • ①心臓収縮の命令抑制
    ②心筋の活動抑制
    ③血管拡張

 

①と②の副作用は、

ヘルベッサーや不整脈で使われる

ワソランといったカルシウム拮抗薬でよくみられます。

 

心臓は刺激伝導系というメカニズムによって、

リズムをとって収縮しています。

 

ペースメーカーが心臓の右上の方にありますが、

この活動はカルシウムの影響を大きくうけます。

 

カルシウム拮抗薬ではこれが抑制されるので、

徐脈性の不整脈が起こる可能性があります。

 

心筋のも直接影響があり、

収縮力が弱くなって活動も抑制されます。

血圧が低下してしまい、

心不全が悪化してしまうこともあります。

 

③の副作用は降圧薬としてよく使われる

ジヒドロピリジン系によくみられます。

 

血管が急激に拡張してしまうと、

血圧を維持しなければと身体がびっくりします。

 

反射的に心臓の働きが強くなって、

動悸や頻脈がみられることがあります。

 

また、頭の中の血管が拡張すると頭痛につながることもあります。

血が上半身に集まり、

顔が赤くなったりほてりがみられたりします。

 

その他にも、むくみがみられたり、

便秘といった副作用がよくみられます。

 

4.カルシウム拮抗薬とグレープフルーツ

薬の吸収が促進され、

分解が妨げられるので、薬の効果が増強してしまいます。

 

「薬を飲むときはグレープフルーツは禁止」と

よく言われるかと思います。

 

なぜグレープフルーツ?と疑問に思われる方も多いかと思います。

その理由をお伝えしたいと思います。

 

グレープフルーツの成分のうち、

フラノクマリンという物質が曲者なのです。

 

この成分は2つの特徴をもっています。

 

カルシウム拮抗薬は肝臓で分解されていきますが、

その際にCYP3A4という酵素が重要な働きをします。

 

この成分は、CYP3A4の働きを邪魔するのです。

その結果として、

カルシウム拮抗薬が分解されずに身体に残ってしまいます。

 

また、薬の吸収の段階でも影響があります。

薬は小腸で吸収されますが、

ここにもCYP3A4があって、

一部はここで分解されてしまいます。

 

ですが、グレープフルーツをとると

分解されずに丸ごと吸収されてしまいます。

 

さらには、薬を身体に吸収される前に外に出そうとする

P糖蛋白というものがありますが、その働きが低下してしまいます。

 

この結果、吸収もよくなって排泄されにくくなり、

カルシウム拮抗薬の濃度が一気にあがってしまいます。

このため、予想以上の血圧低下作用がでてしまいます。

 

まとめ

カルシウム拮抗薬は、

血管を拡張させて血圧を低下させます。

 

降圧薬の中でも、血圧をもっとも下げる薬です。

 

副作用として、

動悸・頭痛・ほてり・むくみ・便秘などがよくみられます。

 

薬の分解が妨げられるので、薬の効果が増強してしまいます。

 

 

 

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