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身体の病気?それとも心身症?心身症をセルフチェックする10のポイント

2018/11/18

*当記事は「医者と学ぶ心のサプリ」から許可を受けて転載しています。

 

身体の病気?それとも心身症?心身症をセルフチェックする10のポイント

 

心身症とは、「心(こころ)」が原因となって

「身(からだ)」に症状が認められる病気のことをひっくるめた考え方です。

 

心が原因、すなわちストレスが原因となって

生じる身体の病気ということになりますが、

実に様々な病気があげられます。

 

「ストレスで下痢になった」

「ストレスで胃潰瘍になった」といったことはもちろんのこと、

皆さんがイメージしているよりも幅広い病気が含まれます。

 

糖尿病や高血圧といった、

ほとんどの方が内科で普通に治療を受けている病気も

心身症であることがあります。

 

ストレスは多くの病気に影響を与えています。

 

心身症であれば、身体治療だけでなく

精神的な面からも治療をしていくことが必要になります。

 

身体だけを治療していくと、

  • 身体の治療をしていてもなかなかよくならない
  • いったんは治った病気が再発してしまう

 

このようなことになってしまいます。

ですから、身体の病気だけ考えればよいのか?

それとも心身症と考えていくべきなのかはとても大切です。

 

ここでは、心身症の患者さんに多い特徴や症状の特徴から、

心身症が疑われるポイントをチェックしていきたいと思います。

 

心身症セルフチェック

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.心身症の可能性がある病気・症状とは?

心身症に気づかれずに、

漫然と身体治療を続けられてしまうこともあります。

どのような病気や症状が心身症の可能性があるのか、

チェックしてみましょう。

 

身体に何か症状が認められたときに、

「心が原因だ!」と思うことは少ないかと思います。

 

身体の病気になってしまったから、

専門の病院に行かなきゃと思うのが普通です。

 

はじめから心身症と感じて病院に受診される方はとても少なく、

そのほとんどが身体の治療を受けてからです。

 

診察や検査によって身体に病気がなければ、

医師も心身症を疑うことがあります。

 

精神的な要因が強ければ、

精神科や心療内科への受診をすすめられることもあります。

 

しかしながら身体の病気がみられると、

その治療に終始してしまうことが多いです。

 

なかなか治らなかったり再発してしまっても、

主治医が身体疾患しか意識しなければ、

患者さんも心身症という考え方をなかなかもてません。

 

それではまず、

心身症の可能性がある病気と症状をチェックしてみましょう。

 

心身症で認められる病気について

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自律神経失調症(心身症)の症状について


2.心身症かどうか、チェックしてみましょう

つぎに、心身症の可能性があるポイントをチェックしてみましょう。

 

 

それでは以下で、

それぞれのポイントについてお伝えしていきます。

 

3.心身症のチェックポイント―症状の経過

心身症では、身体の治療だけでは完治しません。

このため、①症状に波がある

②治っても再発する

③なかなか治らないという特徴があります。

 

それではまず、

心身症の患者さんが身体の病気として受診した時に、

症状がどのような経過をたどっていくかというポイントから

心身症をチェックしていきましょう。

 

①症状に波がある

心身症の症状経過の特徴のひとつが、

症状の波が大きいことです。

 

心身症では、

身体の症状に心(ストレス)が大きな影響を及ぼします。

 

私たちは日々の生活の中で、

様々なストレスを抱えて生きています。

 

ストレスのかかり方は変化するため、

症状もそれによって良くなったり悪くなったりします。

 

例えば学生さんの場合、

夏休みや冬休みの長期休暇の時は症状はよいけれども、

学校が始まる少し前から症状が悪くなってきたりすることもあります。

 

サラリーマンでも、

休み明けや仕事の日は悪化するといったこともあります。

 

②治ったと思っても再発してしまう

心身症では、

その原因は身体だけではなく心にもあります。

 

このため、身体の治療だけしていったんよくなっても、

ストレスの原因が解消されていないと、

しばらくしてまた再発しています。

 

分かりやすい例でいえば、

ストレスによる胃潰瘍があげられるでしょう。

 

胃酸を抑えるお薬などを使えば、

いったんは身体の病気は良くなります。

 

治ったと思ってお薬を止めてしまうと、

すぐに胃潰瘍を再発してしまいます。

 

心身症の場合は、

治療を止めていこうとするとすぐに悪化してしまったり、

再発してしまうことがあります。

 

③なかなか治らず薬が増えてしまう

心身症では、

その原因となっているストレスが解消できなければ、

なかなかよくなりません。

 

先ほどの胃潰瘍の例では、

胃薬を使って抑えていても、

よりストレスがかかって

胃酸の分泌が強まれば症状は悪化してしまいます。

 

この症状を抑えるために、

さらに薬の量が増えてしまうこともあります。

 

また、薬でなかなか症状をコントロールできないと、

そのことが心身症を悪循環させることもあります。

 

なかなかよくならないことがストレスとなってしまいます。

このことが精神面にも影響し、

とくに高齢者では抑うつ状態となってしまうことも少なくありません。

 

4.心身症のチェックポイントー原因

心身症の原因としては、

ストレスと性格傾向があげられます。

 

①明らかなストレス

②生活上での変化

③アレキシサイミア傾向

④過適応傾向をチェックする必要があります。

 

心身症の原因としては、

大きく2つに分けて考えることができます。

 

  • ストレスそのもの
  • 受け取る側

 

ストレスが大きければ、

どのようにすれば改善できるかを考えていく必要があります。

 

受け取る側の要因であれば、

精神療法を積み重ねて少しずつ考え方を変えていく必要があります。

 

心身症の原因となるストレスや性格傾向から、

心身症をチェックしていきましょう。

 

①明らかなストレスのきっかけがある

自分でも思い当たるような明らかなストレスがあるのでしたら、

その身体疾患や身体症状は心身症である可能性があります。

 

ストレスのかかり方と症状に関連があれば、

心身症である可能性は高いでしょう。

 

そのようなストレスを抱えているのならば、

身体症状だけでなくストレスにも目を向けていく必要があります。

 

②最近大きな生活上の変化があった

心身症の患者さんは、

後述しますがストレスを感じ取りにくい傾向にあります。

 

このため明らかなストレスがあっても、

本人にはあまり感じ取れていないことがあります。

 

ストレスと感じているかは別にして、

最近の生活での変化に注目してみましょう。

 

変化があるということは、

たとえ喜ばしいことだとしてもストレスになります。

 

いままでと違う環境になるということは、

それだけでストレスになります。

ましてや悪い方向への変化はなおさらです。

 

大きな生活での変化があった場合は、

心身症の可能性があります。

 

③自分のストレスになかなか気づけない

心身症の患者さんは、

なかなか自分の本当の感情に気づけず、

それを表現するのも苦手です。

 

このような性格傾向のことを、

アレキシサイミア(失感情症)といいます。

 

アレキシサイミア傾向があると、

自分自身のストレスに気づけません。

 

本当は「つらい」「しんどい」と思っていても、

それに気づかずに日常をすごしています。

 

そういったストレスを、

意識しないように抑制したり回避したりしていますが、

行き場がなくなると身体の症状にあらわれてしまいます。

 

このように、アレキシサイミア傾向があって

自分のストレスに気づけない方は心身症になりやすいです。

 

④過剰にまわりに合わせている

心身症になりやすい方のもうひとつの傾向として、

まわりに過剰に合わせていることがあげられます。

 

先ほどのアレキシサイミア傾向のある方では、

自分自身の本当の感情に気がつけないので、

頼まれごとをしてもイヤと言わずに引き受けてしまいます。

 

自分の感情に気づけている場合でも、

対人不安が強い方は周りに良く思われようと無理をしてしまいます。

 

過適応がストレスとなって、

心身症を生じやすくなります。

 

⑤過去に大きなトラウマをかかえている

過去に大きなトラウマをかかえている方では、

自分を守るためにアレキシサイミア傾向になりやすいことがいわれています。

 

大きなストレスをうけていると、

そのストレスから自分を守るために己の感情に鈍感になるのです。

 

こういった過去の大きなトラウマは、

解消できずに無理やり意識の底に押し込んでいることが多いです。

 

こうした抑圧された葛藤が、

心身症という形で表れることが多いです。

 

5.心身症のチェックポイント―コーピング

ストレスコーピングとして、

①ストレス発散ができない

②相談できないことは心身症の要因となります。

 

ストレスコーピングとは、

ストレスの対処法になります。

 

人のストレスの対処法には3つのパターンがあります。

 

  • ひたすらストレスに耐える
  • ストレスをそらす
  • ストレスを発散する

 

ストレスに耐えるというのは限界がありますし、

ストレス耐性やストレスをそらす力は、

なかなか目に見えないものです。

 

そしてどちらも、

すぐに身につけられるものではありません。

 

ストレスコーピングの面から、

心身症になりやすいかどうかをチェックしてみましょう。

 

①ストレス発散の手段を持っていない

ストレスなく生きている人はどこにもいません。

ストレスは日常生活のなかに散らばっていて、

生きていく上で避けることはできないものです。

 

ストレスを受けたら、

それを発散してやり過ごしています。

 

ストレス発散の方法には2つの方法があります。

 

  • 効果は小さいけれど、すぐにできること
  • 効果は大きいけれど、時間とエネルギーが必要なこと

 

前者は、仕事をしながらストレス発散をしていくために必要です。

後者は、土日や長期休暇で行えるようなことです。

 

どちらかというと心身症の患者さんは、

即効性のストレス発散をもっていない人が多い印象です。

 

日々のストレスに対して、

こまめにガス抜きできない方は心身症になりやすいです。

 

②相談できる人がいない

人と相談することも、

ストレス対処法としてとても大切です。

 

ストレスに感じたことを話すことで、

モヤモヤしたものが形になります。

 

このように言語化することはとても大切で、

ストレスが形あるものになって解消されていきます。

 

悩みを抱えた時に、

気軽に相談できる人がいるかどうかはとても大切です。

 

相談することができず、

自分で抱えてしまう人ほど心身症になりやすいです。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

 

心身症になりやすいポイントを10ポイントご紹介してきました。

 

  • 心身症に多い症状の経過
  • 心身症の患者さんに多い特徴

 

のどちらもを満たす場合は、心身症の可能性が高くなります。

 

心身症は、おもに心療内科で治療する病気です。

 

心療内科は、

実はそれを専門にみている心療内科医は少ないです。

精神科医か内科医のどちらかが、

その狭間の心身症を診ていることが多いのです。

 

もしかして心身症かもしれないと思ったら、

精神的なアプローチからも治療を検討してください。

 

 

 

 

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