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「子どもにテレビやタブレット」は良いか悪いか? ママ医師の見解は…

2019/07/13

 

*この原稿はMRIC by 医療ガバナンス学会の許可を受け転載しています。

 

この原稿はAERA.dot(2月20日配信)からの転載いです。

https://dot.asahi.com/dot/2019021500063.html?page=1

 

森田麻里子

2019年6月28日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp

 

子どもタブレットテレビ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テレビやタブレットを子どもに見せていいのかどうか、

迷っている保護者の方も多いのではないでしょうか。

 

「テクノロジー企業のトップが、

自分の子どもにはスクリーンを見せる時間をきっちり制限していた」という話や、

「教育的な内容であれば大丈夫」

「2歳までは見せてはいけない」などと、

いろいろな意見があって何が正しいのか混乱してしまいます。

 

実際の研究では、

どんなことがわかっているのでしょうか?

 

■テレビっ子のほうが語彙力は高い!?

ワシントン大学の研究者たちは、

1994年から2000年にかけて

5~7歳の子どもを調査した結果を発表しています。

 

それによると、6~7歳時点での

読解力・語彙力テストや短期記憶のスコアは、

3歳未満の時にテレビを見ていた時間が多ければ多いほど

わずかに低下していましたが、

語彙力については、

3~5歳時点でのテレビ視聴時間が多いほど、わずかに上昇していました。

 

年齢によってテレビの影響に違いがあるのは、

子どもたちの理解力が異なるからだと考えられています。

 

実は、子どもが教育番組の意味をきちんと理解できるのは、

2、3歳以降と言われているのです。

 

たとえば、2007年にコネチカット大学から発表された研究では、

15~24カ月の子ども48人を対象に、

テレビ番組を通して

新しい言葉を教えることができるかが調べられました。

 

すると、大人が目の前で実物を見せて教えた場合の正解率は67%、

大人が物の名前を言うビデオを見せた場合は53%でしたが、

教育番組を見せて教えた場合は40%でした。

 

まだ内容を理解できない年齢の子どもにとっては、

たとえ教育的なプログラムであってもただの映像や音であり、

教育的な効果はあまり期待できないようです。

 

一方で、3歳から10代にかけては、

教育番組を見ていると

男の子は高校の成績がよくなるという研究もあります。

 

良い内容のコンテンツであれば、

2、3歳以降にテレビやタブレットを利用するのは

良い影響があるかもしれません。

 

■テレビのつけっぱなしは…

それでは、テレビやタブレットを見せるのではなく、

リビングでつけっぱなしにしているのは、

子どもにどんな影響があるのでしょうか?

 

マサチューセッツ大学の研究者たちは、

2008年に、テレビを流しっぱなしにすることの影響を調べています。

 

12カ月の子17人、24カ月の子16人、36カ月の子17人を集め、

1時間おもちゃで遊んでもらいました。

 

そのうち30分は、お部屋のテレビをつけておき、

残り30分は消しておきました。

 

すると、子どもたちがテレビを見るのは6分間に2~10回程度、

テレビを3秒以上見ていたのはそのうち30%で、

ずっとテレビを見ているわけではありませんでした。

 

また、テレビを付けた状態だと、

おもちゃで遊ぶ時間は5%減少し、

集中して遊ぶ時間も減少していたことがわかりましたが、

おもちゃを別のものにみたてたり、

おままごとのような

ロールプレイを含んだりするような複雑な遊びの時間は、

テレビがついているかどうかで

はっきりした差がありませんでした。

 

つまり、テレビがついていると、

やはりわずかに気を散らしてしまうという影響はありますが、

本当に集中しておもちゃで遊ぶような時間は、

あまり変わらないという結果でした。

 

■すべて“ダメ”ではない。直接体験とともに

赤ちゃんや2歳頃までの子どもは、

教育番組から何かを学ぶのは難しいかもしれません。

 

しかしテレビやタブレットを見せることが

とても悪いということではなく、

人との関わりや直接体験することを通して、

学ぶ時間が確保されているかどうかが大切です。

 

テレビやタブレット、スマートフォンは、

それ自体が良いもの、悪いものというものではなく、

一つの道具です。

 

2020年からは小学校のプログラミング教育が必修化され、

ICT教育も普及が進む流れにあります。

 

子どもの年齢に合わせて、

良い使い方を考えていく必要がありそうです。

 

 

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