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喘息ってどんな病気?喘息の症状とは?

2019/10/27

*当記事は「医者と学ぶ心のサプリ」から許可を受けて転載しています。

 

喘息ってどんな病気?喘息の症状とは?

 

気管支喘息は、

慢性的に気道に炎症が起きて

過敏になることで咳や息苦しさが起きる病気です。

 

全世界に3億人近い人が喘息と診断されており、

日本でも440万人、子供だと約6%、

成人だと約3%の人が喘息と言われています。

 

3%というと、

50人のクラスに1人か2人喘息の方がいらっしゃることになるので、

決して珍しい病気ではありません。

 

喘息の症状と言ったら、

咳と喘鳴(胸のゼーゼーした音)と息苦しさが代表的です。

そしてこれらの症状が一時的ではなく、

何度も繰り返し起きるのが喘息の特徴です。

 

ここでは、気管支喘息はどんな病気で

どうしてこういった症状が起きるのか、

詳しく説明していきたいと思います。

 

01

 

1.喘息ってどんな病気なの?

喘息は、慢性的に気道に炎症が起きて

過敏になることで咳や息苦しさが起きる病気です。

 

咳などの症状がなくても慢性的な炎症は続いているので、

付き合っていかなければいけない病気です。

 

喘息は慢性的に気道に炎症を起こしており、

それが引き金となって気道が敏感になって

咳や息苦しさを繰り返す病気です。

 

本来は我々の体を守るべき好酸球やリンパ球、

マスト細胞などといった免疫細胞が、

気道をずっと攻撃している状態です。

 

喘息では主にIgEという免疫物質によって、

気道を攻撃しています。

 

こういった自分の免疫が自分自身を攻撃する病気のことを

自己免疫疾患と言います。

分かりやすくいうとアレルギー疾患ですね。

 

風邪でも咳が出ると思いますが、

これは一時的に気道が戦場となって生じているものです。

 

体を守るべき細胞が

細菌やウイルスと戦った結果として咳が出ているだけです。

しかし喘息は、

常に気道が戦場となってしまい炎症を起こしているのです。

 

喘息はアレルギーの種類の中でも、

IgEが関与するⅠ型アレルギーに分類されます。

 

喘息以外のⅠ型アレルギーとしては、

花粉症や蕁麻疹などがあります。

花粉症はわかりやすいですね。

 

スギ花粉などの物質に鼻や目の粘膜が過剰に反応して、

結果として鼻水や目のかゆみを引き起こします。

 

一方で喘息は、

何が原因でアレルギーの引き金になるか

言い切れない難しい病気です。

 

最近では喘息にも色々なタイプがあることが分かってきていて、

アレルギーだけでは説明できない人もいるのです。

 

喘息の原因は様々ですが、

喘息の人に共通して言えることがあります。

 

それは、喘息の人の気道は症状がないときでも

常に炎症をおこしていることです。

それが引き金になって、

健康な人に比べて気道が狭くなって空気が通りにくくなっています。

 

咳がでない、息が苦しくないから

喘息が治ったとよく言う人がいますが、

基本的には喘息は風邪などとは違って

治らない病気と考えた方が良い病気です。

 

少なくても、

「咳がない=喘息の状態ではない」と

考えないようにしましょう。

 

2.喘息ってどれくらいの人がいるの?

喘息は世界で3億人、日本で400万人以上いるという疾患です。

喘息と診断されてショックを受けた方もいるかもしれません。

しかし喘息は、決して珍しい病気ではないのです。

 

2004年にWHOで発表された統計では、

全世界に3億人の喘息患者がいるとされています。

 

日本でも喘息と診断される方は年々増えており、

2000年代では子供で約6%、大人で約3%といわれ、

全体では400万人を超えています。

 

高血圧が1000万人、

糖尿病は2000万人近くいるので、

喘息は一般的な病気とまでは言えないですが、

珍しい病気ではありません。

 

大勢の人が喘息だと聞いて安心された方もいるかもしれません。

しかし安心してはいけない病気であるのも事実です。

喘息は世界では年間250万人、

日本でも年間2000人の方が命を落としているのです。

 

そのため、しっかり知識を持って治療することが大切な病気なのです。

 

3.喘息はどんな症状があるの?

気道が狭くなることで、

咳やゼーゼーとした胸の音(喘鳴)、

息ぐるしさが出現します。

 

喘息の症状は、気道に慢性的な炎症が生じることで起きます。

具体的には以下の5つがあげられます。

 

  1. 胸の喘鳴(ゼーゼーする音)
  2. 息苦しさ
  3. 運動時の息切れ

 

気道に炎症があることで、

これらの症状が一時的ではなく慢性的に起きる病気です。

さらに喘息はひどくなると、

 

  1. 息が苦しくて横に慣れない
  2. 息が苦しくて動けない
  3. 息が苦しくてしゃべれない

 

と日常生活が取れなくなるくらい強い症状になります。

これを喘息発作と呼びます。

 

これらの症状が出ている時は、

体の酸素量が足りなくなっている可能性があります。

 

体に酸素が足りていないということは、

命にかかわる危険性があります。

 

このような症状が出た場合は、

すぐに病院を受診するようにしましょう。

 

また、このような症状が出る前に、

定期的に喘息の治療をすることが必要です。

咳や運動時の息切れがいつものこと・・・で済ますのではなく、

必ず適切な喘息治療を行っていきましょう。

 

4.喘息症状が悪化する原因-アレルゲン

一人一人病態が違うため、

自分がどの原因で起きやすいか知ることが大切です。

アレルゲンは、血中の特異的IgEから調べることができます。

 

喘息は慢性的な気道の炎症ですが、

ひどくない時には症状は落ち着いています。

 

しかしながら何かをきっかけに炎症がひどくなると、

喘息の症状である咳や息苦しさが出現します。

 

引き起こさる要因として最も考えられるのは、

アレルゲンです。

 

何かの物質に強く反応してⅠ型アレルギーとなり、

IgEがその物質に対して大量に作られて炎症を起こします。

よくあるアレルゲン物質としては、以下のようなものがあげられます。

 

  1. チリやダニ
  2. ハウスダスト
  3. 犬や猫などペット
  4. スギなどの花粉
  5. カビ
  6. 牛乳や小麦などの食べ物

 

犬や猫、食べ物などは分かりやすくて、

経験から何となくわかってる喘息患者さんも多いのではないのでしょうか?

一方でチリやダニ、ハウスダストは意識しづらいアレルゲンかと思います。

 

どの物質がアレルゲンとなるかは、

採血することで調べることができます。

 

喘息の症状が悪化するきっかけを知るために、

採血して調べておいた方がよいです。

 

血液中の特異的IgE(アレルゲンごとの免疫物質)を、

代表的なアレルゲンで調べていきます。

 

アレルゲンになりやすい物質を中心に調べられますが、

疑わしい原因物質があれば項目を追加することもできます。

 

「もしかしたらこれも怪しい」

「仕事でこの物質とよく接するけど大丈夫かな?」

などといったことがあれば、

採血前に相談してみましょう。

 

ここでアレルゲンがはっきりわかったら、

アレルゲンに近づかないようにすることがポイントです。

 

ただし全ての喘息疾患がアレルゲンだけで説明できません。

なかには、アレルゲンが全くない非アレルギー性の喘息の方もいます。

 

アレルゲンがないことは良いことかというと逆で、

喘息として重篤な人の方が多いです。

 

原因がはっきりと分かっていれば対策もとりやすいのですが、

アレルゲンがないと対策がとれません。

そして喘息症状がなぜ出るのかも完全にわかっておらず、

喘息治療薬のステロイドが効きづらいです。

 

5.喘息症状が悪化する原因-アレルゲン以外

喘息症状が悪化するアレルゲン以外の原因には様々なものがありますが、

特に①感染②ストレス③過労は、

喘息症状が重症化しやすいため注意が必要です。

 

喘息症状が悪化するのはアレルゲンだけではありません。

日常生活の中でありふれている、非常に多くの原因があります。

 

  1. タバコや車の煙
  2. ばい菌
  3. 気圧差
  4. 寒暖差
  5. ストレス
  6. 過労
  7. 運動
  8. 夜間

 

これ以外にも原因としては様々なものがありますが、

この8つは代表的な原因なので注意が必要です。

 

①のタバコや車の煙は、

アレルギーというわけではなく単純に気道を刺激するため、

気道が常に炎症が起こってる喘息には火に油を注ぐ状態となります。

 

また②のばい菌で風邪になると、

一般の人でも咳は出るかと思います。

しかし喘息の人はただでさえ気道が弱いので、

ばい菌と体の戦いによって戦火があがると

非常に炎が広がりやすくなります。

結果として健康の人と比べると、咳が強くなります。

 

③の気圧差や④の寒暖差でも、

喘息の症状が悪化する人が多いです。

「天気予報を見る前に台風が来るとわかる」といった

患者さんもいらしゃいます。

 

⑤のストレスや⑥の過労も、非常に大きな要因です。

喘息は交感神経と副交感神経のバランスが崩れて起こることもあります。

  • 交感神経は戦闘態勢に入るときに反応する神経です。
  • 副交感神経は休む態勢のときに反応する神経です。

 

気道は一般的に、

副交感神経が優位になり休もうとするときに狭くなる特徴があります。

そのためストレスや過労のため

体が休もうとして副交感神経に傾くと、

喘息発作につながることがあるのです。

 

⑦の運動も同様に副交感神経が関係しています。

運動して最初は交感神経が優位になりますが、

疲れてくると体が休もうと無意識に副交感神経に傾きます。

 

また⑧の夜間に喘息症状が悪化する人もいます。

眠ってるときは体を休めるため交感神経はほぼオフになり、

副交感神経が優位になるためです。

特に明け方が最も副交感神経が優位になるため、

喘息が起きやすい時期になります。

 

これらの原因の中で、

喘息症状が重篤になりやすい3大原因は以下になります。

 

  1. ばい菌などの気道感染
  2. ストレス
  3. 過労

 

これらはすぐに問題解決しづらいため、

気道の炎症が長引いてしまいます。

その結果として、喘息発作が重篤化しやすいのです。

 

病院で喘息発作で受診された患者さんには、

まずこの3つが誘因としてなかったか確認します。

 

特に①ばい菌などの気道感染がある場合には、

ばい菌をやっつける薬が必要になるため、

症状によってはレントゲンや採血で病態を確認する必要があります。

 

まとめ

  • 喘息は気道に慢性炎症が起こることで咳や息苦しさが起こる病気です。
  • 喘息は日本でも400万人以上患者さんがおり、珍しい病気ではありません。
  • 喘息は特定の物質でアレルギーを引き起こす病気ですが、
    一部難治性の病気はアレルギー以外のこともあります。
  • 喘息は夜間に症状が起きやすい病気です。
  • 喘息は①気道感染②ストレス③過労の3大原因があると重症化しやすい病気です。

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