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女性の社会進出を拒む意外な盲点、低用量ピル

2016/11/09

 

*この原稿はMRIC by 医療ガバナンス学会の許可を受け転載しています。

 

この原稿はJBPRESSからの転載です。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48182

南相馬市立病院
山本佳奈

2016年11月9日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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リオオリンピックが終わってから、はや2か月。

日本選手団の目覚ましい活躍は、記憶に新しい。

さて、女子競泳選手の400メートル個人メドレー後の

インビューを皆さんは覚えておられるだろうか?

試合後倒れこんでしまった彼女は、

「昨日、生理が始まりすごく疲れていた。

でも、それは理由にならない。今日の自分の泳ぎが良くなかった」と述べた。

多くの選手はこのような発言をしない。

いや、言い出しにくい。

競技のコーチの多くが男性であるがゆえ、

「生理中だ」と言えない女性選手は少なくないのだ。

 

02

 

●飲み忘れないために机の上に置いたら・・・

私事で恐縮だが、大学生になった頃から生理痛がひどくなってしまった。

起き上がることができず、授業に出られない日も多々あった。

困り果てて婦人科を受診し、低用量ピルの存在を知った。

ピルの内服から7年が過ぎた。

倦怠感や月経痛は多少あるものの、生理痛は内服してすぐに激減した。

日常生活に支障を来すことは全くなくなった。

そんな低用量ピルは、毎日内服する必要がある。

正しくは、21日間飲み続け、7日間休薬する。

医師となった頃から、飲み忘れが多くなってしまった。

そのため、医局の自分の机上に置くことにした。

その後、飲み忘れることはなくなった。

だが、最近、「ピルを机の上に置かないように」と注意を受けた。

理由は、「避妊薬を置くな、という指摘が医師からあったから」だという。

納得できず再度尋ねると、

「ピルを机の上に置くのは、コンドームを置くようなものだ」と

ある医師から言われてしまった。

これが日本におけるピルに対する理解の現状なのだと感じた。

2013年の国連人口部の統計によると、

日本のピルの服用率はわずか1%。

 

フランスは41%、ドイツは37%、英国は28%、米国は16%と、

欧州におけるピルの内服率は日本と比較してはるかに高い。

日本は、韓国の2%、中国の1.2%にも及ばない。

日本はピル後進国と言わざるを得ない。

 

01

 

●女性の社会進出を促すためにも正しい認識を

なぜ、こんなにも服用率が低いのだろうか。

1つの理由は、承認が遅かったからだ。

低用量ピルが日本で承認されたのは1999年。

米国に遅れること25年、

国連加盟国の中では日本の承認が最も遅かった。

2つ目の理由は、医師による処方が必要だからだ。

ピルをドラッグストアで購入できる国が多い中、

日本では医師の処方なしにはピルを手に入れることはできない。

近年、女性の社会進出が進んでいる。

ピルを内服し、体調管理している女性が増えてはきているものの、

理解が追いついていないのが現状だ。

ピルに対する正しい理解が広まることを切に願う。

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