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インフルエンザワクチン(2016/2017)の動向

2016/12/17

 

*当記事は「医者と学ぶ心のサプリ」から許可を受けて転載しています。

 

インフルエンザワクチン(2016/2017)の動向

 

インフルエンザが、

とうとう2016年第46週(11月21日まで)にして、

定点あたりの報告患者数が首都圏で一人をこえ、

注意報が発令されました。

 

通常、日本における季節性インフルエンザの流行は

毎年11月下旬から12月上旬ごろに始まり、

翌年1月から3月ごろにピークを迎え、4月以降に終息します。

 

今年は流行の開始が1か月ほど早まっていて、

第38週あたりから増加しはじめ、急激に増加してきています。

この立ち上がりは、2年前の2014/2015シーズンと同じような経過となっています。

 

ここでは、今年(2016/2017)のインフルエンザワクチンを中心に、

本シーズンをどのように対応していくか考えていきたいと思います。

 

1.インフルエンザワクチン2016/2017

インフルエンザワクチンは、昨年より4価となっています

A型のタイプが、昨年とひとつ入れ替わっています。

 

インフルエンザの予防接種は感染防止だけが目的ではありません。

「ワクチンをうったのにインフルエンザにかかってしまった。」

といった話を聞いたこともあるかと思います。

 

確かにインフルエンザワクチンは、

型が外れて効果がないこともあります。

型があったとしても、感染して発症してしまうことはあります。

 

ですがワクチンを接種していると、症状が軽く済みます。

ですからインフルエンザワクチンは、

症状の重症化を避ける効果を期待したほうがよいです。

つまり、ワクチンを接種したからといって、

必ずしも感染しないことはありません。

 

「感染」とはウイルスが口や鼻から体内へ入り、

相手の細胞表面から侵入して増殖することです。

 

「発症」とは、ウイルス増殖後、数日の潜伏期間を経て、

発熱や咽頭痛などの症状が起こることをいいます。

 

インフルエンザワクチンとは、病原性を失くし、

免疫を作るのに必要な成分を取り出して作られた不活性化ワクチンです。

感染を完全に防止するよりも、発症を抑える効果が期待できるのです。

 

また発症後、一週間程度で回復することがインフルエンザは多いのですが、

ときには肺炎や脳症などの重い合併症が現れ、

入院治療が必要になったり死亡される方もいます。

 

これを「重症化」といいますが、

ワクチンはこの重症化を予防する効果も期待できます。

 

ひとくちに、インフルエンザウイルスといっても、

詳しくみるとさまざまな型があり、毎年少しずつ流行が異なります。

 

世界の流行状況を鑑み、世界保健機関(WHO)が予測、

それに基づいた厚生労働省の依頼に応じて

国立感染症研究所において検討された結果、

厚生労働省がその年の流行予測株、

すなわちワクチン選定株を決定する仕組みになっています。

 

今年選定・製造されたたワクチン株は、以下の4株です。

  • ・A/カルフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09

    ・A/香港/4801/2014(X-263)(H3N2)

    ・B/プーケット/3073/2013(山形系統)

    ・B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)

 

従来は3価ワクチンと呼ばれていて、B型が1種類だけでした。

しかし、B型は予測が難しく、

近年では世界的にB型株2種類の混合系統の流行が見られていました。

 

このことを踏まえ、A・Bそれぞれ2株ずつの、

4価ワクチンに変更されました。

 

日本では去年から4価となり、

今年はA型がひとつ入れ替わりましたが、

A型株2つ、B型株2つの構成は変わりません。

 

現在、ヒトの間で流行しているインフルエンザウイルスは、

  • ・A/H1N1pdm09型

    ・A/H3N2型

    ・B型

の3種類です。

 

昨年度、2015-2016シーズンは、

A/H1N1pdm09型が主体であったことから、

今年2016-2017シーズン(2016年9月5日~2017年の9月末日)は、

A/H3N2型が盛り返してくるのではないかと予測されています。

 

ちなみに、最初にあげたA/(H1N1)pdm09株は、

2009年に世界的に流行した「新型インフルエンザ」と呼ばれていたものです。

2011年からは季節性インフルエンザとして取り扱われることになりました。

 

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2.接種のタイミングと年齢別の相違・料金について

年齢によって接種方法が異なります。

13歳以下は2回の接種が必要です。

 

金額も医療機関によって異なります。感

染のはじまる2~3週間前に接種するのが理想的です。

 

ワクチン接種による効果が期待できるまで、

つまり抗体が産生し免疫ができあがるまでに2~3週間程度かかります。

 

例年なら、ピークは1月から2月ですので、

12月中旬までにはワクチン接種を終えることが理想ですが、

今年は少し前だおししたほうがいいかもしれません。

 

インフルエンザ2016~2017について、その流行の動向について。

 

また、効果が持続するのは、約5か月程度とされています。

ですから、昨年接種されていたとしても、その効果は持続していません。

 

さらに、毎年流行するウイルスは変わるので、接種も毎年するほうがよいでしょう。

ワクチンの接種量及び接種回数は以下の通りです。

  • ・6か月以上3歳未満の方:1回0.25ml 2回接種

    ・3歳以上13歳未満の方:1回0.5ml 2回接種

    ・13歳以上の方:1回0.5ml 1回接種

 

生後6か月までは母親からの免疫がのこっているため、

インフルエンザにはかかりにくいとされています。

 

また、6か月から3歳未満の場合、

1回で必要な接種量を打つことができないため2回接種となります。

 

また、2回接種が必要な6か月以上13歳未満の方は、

3~4週間、接種の間隔をあけることが必要になりますので、注意してください。

 

料金もおおむね、一回接種料金×2になります。

まずはお近くのかかりつけの医療機関にお問い合わせください。

 

インフルエンザの予防接種は、保険のきかない自由診療にあたります。

つまり病気に対する治療ではないため健康保険は適用されません。

 

原則的に全額自己負担となります。

各医療機関ごとに自由に価格を設定できるので、

料金は一律ではありません。

 

一方、予防接種法に基づく定期接種の対象者については、

費用が各自治体によって公費負担されることもあります。

 

以下の方々は、重症化しやすく接種によるメリットが大きいと考えられるため、

対象になっています。

 

かかりつけの医師とよく相談のうえ、

接種の要不要を判断してください。

 

  • ・65歳以上の方

    ・60~64歳で、心臓・腎臓もしくは呼吸器の機能に障害があり、

     身のまわりの生活を極度に制限される方

    ・60~64歳で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫に障害があり、

     日常生活がほとんど不可能な方

 

ワクチンによる発症予防効果は、

最近の研究報告によると、発症リスクは50%前後の予防効果が期待できます。

 

さらに、高齢者の死亡リスクは約80%軽減されたという報告や、

0~64歳において、1回接種よりも2回接種のほうが

発症予防効果が高いと報告もあります。

 

3.インフルエンザワクチン接種にあたっての注意

当日の状態によっては

インフルエンザワクチンを接種するべきでないこともあります。

また、まれにアナフィラキシー症状が認められることもあります。

 

ワクチンの接種は、

希望された方すべてが必ず受けられるとは限りません。

 

以下に該当する方は注意が必要です。

まずは医療機関に相談してみてください。

 

  • ・明らかに発熱を呈している方

    ・重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方

    ・インフルエンザ予防接種の接種液の成分、卵によってアレルギーがある方

    ・そのほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある方

 

またインフルエンザワクチンは、

接種することでのデメリットもあります。

 

ワクチンを接種したとき、

免疫がつく以外の反応がみられることがあります。

 

これを副反応といいますが、

これがいわゆる副作用と呼ばれるもので、

約10%の方に起こる可能性があるとされています。

 

症状は、赤み(発赤)、腫れ、痛みなどがあります。

通常は、数日で消失します。

 

しかし、まれにショックや

アナフィラキシー様症状(発疹・じんましん・赤身・呼吸困難など)が

起こる場合もあります。

 

その場合は、接種した医療機関に迅速に連絡し対応してもらってください。

なかでもアナフィラキシー様症状は、

比較的すぐに起こることが多いことから、

接種後30分は安静にして様子を見ておいたほうがよいでしょう。

 

4.インフルエンザを発症してしまったら

重症化のリスクがある年少者や高齢者、

基礎疾患がある方は、早く病院を受診しましょう。

インフルエンザ治療は、早期治療が大切です。

 

一般的に風邪の多くは、のどの痛み、鼻汁、くしゃみ、咳などの症状が中心で

全身症状はあまり見られません。

 

一方、インフルエンザの場合、

数日の潜伏期間を経たのち、突然に38度以上の高熱、頭痛、

関節痛、筋肉痛などの全身症状が現れるのが特徴です。

 

発症したかなと思われたら、

速やかに医療機関を受診しましょう。

(検査キットは発熱後少なくとも半日ほどしないと陽性にはなりません。)

 

現在日本で用いられている抗インフルエンザ薬は4剤ありますが、

これらはすべて侵入したウイルスを排除するのではなく、

増殖を抑制することによって効果を発揮します。

 

したがって、発症24~48時間以内に診察・診断を受け、

インフルエンザ治療薬の投与をすることが重要です。

つまりインフルエンザの治療は、早期受診、早期診断、早期治療が極めて重要です。

 

検査キットはすぐには判定できませんが、

年少者や高齢者など重症化しやすい方々では

すぐに治療していくことが大切です。

 

とくにA/H3N2型の感染は、

注意しなければならないと考えられています。

 

ワクチンの製造方法は、鶏の卵を使った鶏卵培養が主流です。

しかし、培養中の抗原変異が頻回に起こるため、

A/H3N2型のワクチンの効果が弱くなっていることが懸念されているのです。

 

初診時に重症化の可能性を予測するのは困難ですが、

可能な限り適切な抗インフルエンザ薬の早めの投与によって、

重症化を防止しましょう。

 

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まとめ

今シーズンの季節性インフルエンザは流行の立ち上がりが早いです。

そのため、大規模な流行を防ぐためにも、

個々に予防策を早めにとったほうがよいでしょう。

 

日常生活における感染予防対策に加えて、

重症化を避けるために、ワクチンの接種は有効だと考えられます。

 

ワクチンの接種方法は、個々人の年齢や体調などによって様々で、

また料金も医療機関によって異なります。

 

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