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心身症や気分変調症の原因、アレキシサイミア(失感情症)とは?

2017/05/20

 

*当記事は「医者と学ぶ心のサプリ」から許可を受けて転載しています。

 

心身症や気分変調症の原因、アレキシサイミア(失感情症)とは?

 

 

アレキシサイミア(alexithymia)は、

心身症の患者さんの特徴的な性格傾向を分析していく中で

提唱された考え方です。

 

アレキシサイミアを日本語に訳すと「失感情症」となりますが、

感情がないわけではありません。

 

感情はあるものの、

その自分の感情に気づいて言葉にすることが苦手です。

そしてストレスが知らず知らずに身体の症状に出てしまい、

心身症となってしまいます。

 

アレキシサイミアは心身症だけでなく、

気分変調症や摂食障害、薬物依存症や自閉症など

様々な病気とも関係が深いことがわかってきています。

 

アレキシサイミアはどのようにすれば変わっていくのでしょうか?

ここでは、アレキシサイミア(失感情症)についてお伝えしていきます。

 

1.アレキシサイミア(失感情症)とは?

  • 自分の感情や感覚に気づくのが苦手
  • 自分の感情や感覚を表現することが苦手
  • 人の気持ちを想像するのが苦手
  • 客観的に考えるのが苦手
  • 自分の中よりも、外の刺激に向かってしまう

 

アレキシサイミア(alexithymia)は、

ギリシア語を語源としていて、

 

「a」(欠落)+「lexis」(表現)+「thymos」(感情)=「alexithymia」

(感情表現の欠落)となります。

 

このため日本語訳では「失感情症」となりますが、

感情が失われているわけではありません。

 

アレキシサイミアでは、感情自体は生まれているのですが、

それを自分の感情として気づくことが苦手なのです。

 

そして感情に気づいたとしても、

それを上手く表現することも苦手です。

このため周りから見ると、

「感情がない人」「淡々とした人」「ぼーっとした人」のように

見られてしまいます。

このように、周囲から見たら失感情に誤解されてしまいます。

 

このようにアレキシサイミアでは、

  • 感情に気づくこと
  • 感情を表現すること

この2つが苦手になります。

 

身体の感覚についても感情と同じように、

気づきが苦手になっていると考えられていました。

このことを、失体感症(アレキシソミア)と表現されています。

 

より詳しくみてみると、

自分の身体の肯定的(正常)な感覚には鈍感ですが、

否定的(異常)な感覚には敏感であるといわれています。

 

さらには外の様々な刺激に対して敏感で、

自分自身の感覚に目が向きにくくなっているといわれています。

 

つまり、自分の周りのことに気を取られてしまい、

身体の異常ばかりに敏感となってしまいます。

そして正常な感覚に気がつけなくなっています。

 

感情と身体感覚での気づきと表現が苦手になっていることを、

専門的には「体感・感情の認識表現不全」といいます。

 

アレキシサイミアではもう一つ、

「空想・内省の不全」という特徴があります。

 

自分自身の感情に気づくのが苦手なので、

他人の感情に対しても共感することが苦手です。

想像力もかけてしまうので、

自分の感情や感覚を深く考えたり、

客観的に考えることが苦手です。

 

整理すると、アレキシサイミアには以下のような特徴があります。

  • 自分の感情や感覚に気づくのが苦手
  • 自分の感情や感覚を表現することが苦手
  • 人の気持ちを想像するのが苦手
  • 客観的に考えるのが苦手
  • 自分の中より、外の刺激に向かってしまう

ということになります。

 

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2.アレキシサイミアでみられる症状とは?

アレキシサイミアでは、

「何だかしっくりこない」慢性的な抑うつ感があることが多いです。

感情コントロールが苦手で、ときに感情が爆発します。

そのストレスが身体症状にあらわれると心身症になります。

 

アレキシサイミアの特徴は、

  • 自分の感情や感覚に気づくのが苦手
  • 自分の感情や感覚を表現することが苦手
  • 人の気持ちを想像するのが苦手
  • 客観的に考えるのが苦手
  • 自分の中より、外の刺激に向かってしまう

でしたね。

 

アレキシサイミアの症状を、具体的に見てみましょう。

  • 涙が出ても、どうして自分が泣いているのか実感がない
  • 小説を読んでも主人公の気持ちになれない
  • 何だか気分が不快でも、それをうまく言葉にできない
  • 人とのコミュニケーションが上手くいかない
  • 嫌な気分を感じたら無意識に考えなくしてしまう
  • 嫌な気分を感じたら、気分解消する行動をとらずにはいられない
  • 身体に何らかの症状が認められる

 

アレキシサイミアの方では、

本人は特に自覚をできていなくても、

「何だかしっくりかない感じ」をかかえていることが多いです。

 

これが顕著になると、

慢性的な抑うつ気分を特徴とする気分変調症となります。

 

そして自分の感情に気づいて、

それを内省して解消することが苦手です。

 

このため、嫌なことがあった時に、

  • 無意識に考えないようにする(回避・抑圧・抑制)
  • 外に発散しようとする(行動化)

という形をとりやすいです。

 

回避や抑圧・抑制がうまくいかないと、

ストレスが身体に身体化してしまいます。

いわゆる心身症となってしまいます。

 

ストレスによって身体疾患が生じるだけでなく、

その身体症状に意識が向くことで、

嫌なことを考えないで済むというメリットがあるのです。

 

行動化としては、

過剰に周りに適応しようとすることが多いです。

 

行動化が不適切な形になってしまうと、

過食や性的逸脱、飲酒や喫煙、薬物使用などにあらわれることがあります。

このため、摂食障害やアルコールなどの薬物依存を発症してしまいます。

 

そしてアレキシサイミアの方は、

ときに怒り悲しみなどの感情が爆発してしまいます。

感情コントロールが苦手ですが、

自分の感情には気がつけないので深く考えることができません。

 

このため、自分自身の不安や無力感などに気が付きにくく、

「何だかしっくりこない」感じをかかえています。

 

3.アレキシサイミアの原因とは?

生まれ持った自閉的な傾向に加えて、

母子関係を中心とした養育環境の影響が大きいです。

脳の機能的には、ミラーニューロンの異常が認められています。

 

アレキシサイミアは、どのような原因があるのでしょうか。

アレキシサイミアには、

遺伝的な要因もあると考えられています。

 

コミュニケーション能力が乏しいと、

自分自身の感情を認識することが苦手になることが分かっています。

このため、もって生まれた自閉的な傾向が

アレキシサイミアには関係しているといえます。

 

アレキシサイミアではそれ以上に、

養育環境の影響が大きいです。

感情やそのコントロールは、

他者との関係性の中から学んでいきますが、

母と子の関係が特に大切です。

 

子供は「不快」なことがあれば泣き、

「快」なことがあれば喜びます。

 

ですが幼い子供では、

自分の感情を深く考えることは当然できません。

親がその感情に気づき、言葉にしてあげます。

そして子供の気持ちを想像して意味づけてあげて、

その感情が自然なものと認めてあげます。

 

こうしたことを通して、

感情の気づきと言語化、想像力と内省が身についていきます。

 

虐待されて育った人は、

アレキシサイミア傾向になりやすいことが分かっています。

 

脳の機能的な研究では、

脳内のミラーニューロンと呼ばれる活動を調べた研究があります。

ミラーニューロンとは、

他人の行動を理解したり共感に欠かせない神経です。

 

他人の行動をみて、

まるで自分が行って行っているように鏡(ミラー)のような反応をする細胞です。

 

アレキシサイミアの患者さんでは、

ミラーニューロンの働きはむしろ亢進していることがわかりました。

脳血流を詳しく調べると、

認知的理解は低下しているけれども情緒的理解は高まっていました。

 

つまり、「悲しい」「うれしい」といった感情だけは強く伝わってくるものの、

それを相手の視点にたって頭で理解できていないということになります。

自分と他人が一緒になってしまって、

他人の視点で物事を考えられない傾向にあるのです。

 

まだまだ研究途上ですが、

このようにミラーニューロンという脳の機能的な異常も認められています。

 

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4.アレキシサイミアを改善していくには?

アレキシサイミアを改善していくには、

まずは自分の感情を受け止められることから始めます。

そして少しずつ解釈できるようにしていき、

現実的な方法で和らげていけるようにしていきます。

 

アレキシサイミアは、

自分自身で気がついていない方も少なくありません。

アレキシサイミアの患者さんに何か困ったことはありますかと聞くと、

「別に大丈夫です」といった答えが返ってくることも多いです。

無意識に自分の苦手なところから避けてしまいます。

 

このためアレキシサイミアに関しては、

治療者側が気づくことが大切です。

 

自分自身でも、

  • 何だかしっくりしない感じがある
  • 物事に入り込めない感じがある
  • 身体に何らかの症状が出ている

といった場合は、アレキシサイミア傾向がないかを振り返ってみましょう。

 

それではアレキシサイミアは、

どのようにして改善していけばよいでしょうか?

 

アレキシサイミアの方は、

自分の内面に気づくことが苦手です。

 

ですから、精神分析などの自己を洞察するカウンセリングは向きません。

お母さんから学ぶべきだったものを、再学習していきます。

 

まずは自分のことを、

日記などを付けながら目に見える形で把握できるようにしていきます。

どんな出来事があり、どんな気持ちになったのかを書いていきます。

 

まずはそれを解釈することなく、

そのまま受け止められることを目指していきます。

生じてきた感情は当然のものだということに慣れていきます。

 

それが出来る様になれば、

少しずつ出来事を解釈しながら、

本来はどのようになって欲しかったのか、

内省していくようにします。

 

そして少しずつ、

どうしたら上手くやれるのかを考えて実践していきます。

 

相手の意図や感情をうまく想像できない人が多いので、

その場合はSST(社会技能訓練)などで

コミュニケーションを知識として学んでいくことも方法です。

 

その中で、どうしたら相手に不快に思われずに

自分が望むことを伝えられるのかを見つけていきます。

 

このように、少しずつ自分の感情で認められるようにしていき、

そしてその感情を現実的な方法で

やわらげられるようにしていくことで

アレキシサイミア傾向を弱めていきます。

 

まとめ

アレキシサイミアの特徴は、

  • 自分の感情や感覚に気づくのが苦手
  • 自分の感情や感覚を表現することが苦手
  • 人の気持ちを想像するのが苦手
  • 客観的に考えるのが苦手
  • 自分の中よりも、外の刺激に向かってしまう

になります。

 

アレキシサイミアでは、

「何だかしっくりこない」慢性的な抑うつ感があることが多いです。

 

感情コントロールが苦手で、

ときに感情が爆発します。

そのストレスが身体症状にあらわれると心身症になります。

 

生まれ持った自閉的な傾向に加えて、

母子関係を中心とした養育環境の影響が大きいです。

脳の機能的には、ミラーニューロンの異常が認められています。

 

アレキシサイミアを改善していくには、

まずは自分の感情を受け止められることから始めます。

そして少しずつ解釈できるようにしていき、

現実的な方法で和らげていけるようにしていきます。

 

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