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血圧を下げる食事とは?高血圧を改善する食事

2017/05/12

 

*当記事は「医者と学ぶ心のサプリ」から許可を受けて転載しています。

 

血圧を下げる食事とは?高血圧を改善する食事

 

 

薬を使わずに血圧は下げられないものでしょうか?

日々の食事と血圧は大きく関係しています。

薬を使うにしても、食事に気を付けることで、

少ない量でコントロールができるようになります。

 

高血圧の患者さんは、食事をどのように気を付けた方がよいのでしょうか。

ここでは、血圧を下げる食事について、

最新のガイドラインに基づいて考えていきたいと思います。

 

1.血圧を下げるための生活習慣とは?

必要性の高い項目に重点をおいて、とりくんでいきましょう。

 

高血圧によい生活習慣(高血圧ガイドライン2014)

 

 

 

 

 

 

 

血圧に良い生活習慣というと、いろいろなものがあります。

ざっと表にしてみていただくと、

減塩・食事内容・減量・運動・節酒・禁煙と、

どれを改善するのも大きなエネルギーがいると思います。

 

いきなり全部気を付けるのはとても無理です。

今の生活習慣の状況を考えてみて、

取り組みやすいことにポイントをしぼって、

一つずつ達成していくのがよいかと思います。

 

ひとつを達成したら、次の目標にすすんでいきましょう。

いろいろな生活習慣の改善を組み合わせると、

相乗効果が期待できることがわかっています。

 

2.高血圧と食事のポイント①-塩分

1日6g未満を目標とされています。

塩分をたくさんとり過ぎると血圧が上がることは、

よく知られているかと思います。

 

さまざまな研究でも減塩の降圧効果は証明されています。

1日5.6g~6.5gの塩分まで抑えると、

しっかりとした降圧効果が期待できるという研究があるので、

ガイドラインでは1日6g未満を目標としています。

 

石器時代では、

人類の塩分摂取量は1日0.5g~3g程度でした。

生きていくには1g程度の塩分を摂取すれば十分ともいわれています。

さらに1日3.8gまで減塩しても安全であることが確認されています。

 

日本は昔から塩分摂取量が多い国でした。

1995年から減塩が叫ばれるようになってきて、

塩分量は減少していきましたが、

まだまだ平均1日10g程度摂取しています。

 

日本で減塩が難しいのは、加工食品が多いためです。

醤油や味噌や漬物などを含めると、

塩分の90%は加工食品からの摂取になります。

 

パンやコーンフレークにも塩分が多く含まれていて、

ファーストフードやコンビニなどが減塩の妨げになっています。

 

外食や出来合いの弁当、

調理済み食品が増えた現代社会では、

個人の努力での減塩はなかなか難しい面もあります。

 

ですが、減塩1日1g達成するごとに

収縮期血圧が1下がるという報告もありますので、

少しでも減らしていくことが大事です。

 

料理に含まれる塩分を知り、

積極的な減塩生活を送ることが大切です。

 

減塩していくにあたっては、

厳しくしすぎると脱水を起こしてしまうリスクがあります。

高齢者や慢性腎臓の患者さんでは、特に夏場は注意してください。

 

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3.高血圧と食事のポイント②-野菜・果物

腎不全・糖尿病・肥満を除いて、

菜や果物を積極的にとりましょう。

 

野菜や果物、低脂肪乳製品などが豊富な食事をとることで、

血圧を下げることが報告されています。

 

これらの食事は、飽和脂肪酸とコレステロールが少なくて、

Ca・K・Mg・食物繊維が多く含まれています。

 

DASH(dietary approach to stop hypetension)食といわれていて、

血圧を下げる効果があることが注目されています。

 

それぞれの栄養成分だけをとっても、

降圧効果はほとんどありません。

 

ですが、これらの栄養素を組み合わせると、

血圧がしっかりと下がることが報告されています。

ですから、いろいろな種類の野菜や果物を組み合わせることも大事です。

 

このように野菜や果物の積極的にとることが勧められていますが、

一部の患者さんでは注意が必要です。

 

腎不全患者さんでは、

高K血症になってしまうことがあります。

また、糖尿病の患者さんや肥満患者さんでは、

糖分が多い果物をたくさん食べるとカロリーがオーバーしてしまいます。

 

4.高血圧と食事のポイント③-肉・魚

お肉を控えて、魚を取るように意識しましょう。

お肉や魚には脂肪が含まれています。

その脂肪にも種類がいろいろあります。

 

脂肪の成分を細かくみると、

グリセリンと3つの脂肪酸が組み合わさってできています。

脂肪の種類によって、この脂肪酸に違いがあります。

 

脂肪酸には、大きくわけて飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。

不飽和脂肪酸はオメガ9・オメガ6・オメガ3の3種類あります。

 

お肉などの動物性脂肪は飽和脂肪酸です。

オリーブ油にはオレイン酸というオメガ9脂肪酸、

植物油ではリノール酸などのオメガ6脂肪酸が含まれています。

 

魚の油にはEPAやDHAといったオメガ3脂肪酸が含まれています。

α‐リノレン酸もオメガ3脂肪酸で、一部の植物油に使われています。

 

特に青背の魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸は、

1日3g以上の高用量を摂取すると降圧効果があることが示されています。

 

国外の大規模試験では、

心血管リスクは減らせなかったという結果がでていますが、

日本での研究では、心筋梗塞の抑制効果が示されています。

これらを踏まえると、お肉を控えて魚をとることは、

血圧には有効と思われます。

 

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4.高血圧と肥満

BMI25未満を目指しましょう。

腹囲に関しても、男性<85cm・女性<90cmを目指しましょう。

 

肥満解消によって血圧は下がります。

約4kgの減量で、

収縮期血圧4.5・拡張期血圧3.2の低下が確認されていました。

 

4~5kgの減量で効果は頭打ちになることが多いですが、

メタボリックシンドロームが全体的に改善します。

これによって心血管リスクが大きく下がります。

 

急激に減量をしてしまうと悪影響がでることもあるので、

4kgの減量でも十分効果があるために、

無理のない減量を行っていくべきです。

 

具体的には、BMI25未満を目指していきます。

BMIは体重÷身長÷身長で求められますので計算してみましょう。

 

また、メタボリックシンドロームの診断基準である

腹部膨満(腹囲:男性<85cm・女性<90cm)は、

心血管リスクとの関係が深いといわれているので、

これ以下に抑えるのを目標にしましょう。

 

まとめ

必要性の高い項目に重点をおいて、

少しずつとりくんでいきましょう。

塩分は、1日6g未満を目標とされています。

 

腎不全・糖尿病・肥満を除いて、

野菜や果物を積極的にとりましょう。

お肉を控えて、魚を取るように意識しましょう。

BMI25未満を目指しましょう。

腹囲に関しても、男性<85cm・女性<90cmを目指しましょう。

 

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