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フェノフィブラートカプセルの効果と副作用について

2017/05/21

 

*当記事は「医者と学ぶ心のサプリ」から許可を受けて転載しています。

 

フェノフィブラートカプセルの効果と副作用について

 

 

フェノフィブラートカプセルは、

トライコア、リピディルのジェネリック医薬品です。

 

「フィブラート系」という種類に分類される、

コレステロールを下げるお薬です。

 

フェノフィブラートカプセルは、

おもに中性脂肪(TG)を下げるお薬です。

 

中性脂肪が高い場合に、

フィブラート系は第一選択肢になります。

特にフェノフィブラートは、

新しく登場したフィブラート系の第二世代の

ジェネリック医薬品として効果も強いため、

積極的に選択されているお薬です。

 

しかしながら脂質異常症の治療の基本は、

食事制限と運動療法です。

 

どんなにフェノフィブラートカプセルを内服し続けていても、

日常生活を見直さないと脂質異常症は改善しないため注意しましょう。

ここでは、フェノフィブラートカプセルの効果と特徴についてまとめていきます。

 

1.フェノフィブラートカプセルの
  メリット・デメリットについて

<メリット>

  • トリグリセリド(TG)を中等度に下げられる
  • HDL(善玉)コレステロールを増やす
  • LDL(悪玉)コレステロールも下げる
  • 1日1回の内服で治療できる
  • ジェネリック医薬品であるため安い

 

<デメリット>

  • 食事・運動療法なしでは脂質異常症は改善しない
  • 肝障害・筋肉痛などの副作用が起こるケースがある

 

フェノフィブラートカプセルは、

脂質異常症に対して使用されるお薬です。

2012年度の動脈硬化性疾患予防ガイドラインに、

脂質異常症の診断基準が示されています。

 

脂質異常症の診断基準について

 

 

 

 

 

 

 

※2012年動脈硬化性疾患予防ガイドライン参照

 

このように脂質異常症は、

3つの項目のうち一つでも当てはまれば診断されます。

 

善玉コレステロールが低くても異常と診断されるため、

高脂血症から脂質異常症に名前が変更になりました。

 

この中でフィブラート系のフェノフィブラートカプセルは、

高トリグリセリド血症に対して適応があります。

 

トリグリセリドとは、別名中性脂肪です。

中性脂肪を最もよく低下させるのがフィブラート系になります。

一方で、なぜ中性脂肪が多いと問題なのかと思う人もいるかもしれません。

 

高TG血症をはじめとした脂質異常症は、

動脈が固くなる動脈硬化の原因になります。

 

動脈が固くなり、

さらにプラークというコブができると動脈が閉塞しやすくなります。

 

動脈が閉塞した部位が心臓や脳などですと、

  • 心筋梗塞などの虚血心疾患
  • 脳梗塞・脳出血などの脳血管障害

などの病気が起きやすくなります。

 

これらの病気は予兆もなく、突然発症します。

死亡率も非常に高いですし、

一命をとりとめたとしても激しい痛みなどの症状、

およびその後の後遺症に悩まされる恐ろしい病気です。

 

これらの病気になってから脂質異常症を慌てて治療しても、

時すでに遅しです。

 

特に高TG血症は、

  • 冠動脈疾患の発生頻度
  • 心血管障害(心筋梗塞)
  • 労作時狭心症
  • 突然死

など心臓に関連した病気の発生頻度が多いと報告されています。

 

また脳梗塞のリスクも上昇するという報告も複数あります。

 

一方で、高TG血症をはじめとした脂質異常症の治療は、

  • 食事療法
  • 運動療法

が柱となります。

 

フェノフィブラートカプセルはTG(中性脂肪)の上昇を抑えるお薬ですが、

  • 食事を過剰に摂取している
  • 運動で脂肪自体を消費しない

このような状態では、フェノフィブラートカプセルの効果にも限界があります。

 

フェノフィブラートカプセルは、

食事療法・運動療法をしっかり行ったうえで使っていきます。

 

フェノフィブラートカプセルだけで

脂質異常症を治療しようと考えないようにしましょう。

 

フェノフィブラートカプセルはTGを下げる薬ですが、

  • 善玉(HDL)コレステロールをあげる効果
  • 悪玉(LDL)コレステロールを下げる効果

もあります。

 

しかしフェノフィブラートカプセルはLDL低下させる効果は弱いため、

TG・LDL両方高い場合は

  • クレストール
  • リバロ
  • リピトール

などのスタチン系を使用することが現在では主流です。

 

フェノフィブラートカプセルは、

副作用に注意が必要です。

 

フェノフィブラートカプセルの重大の副作用として

特に注意が必要なものは、横紋筋融解症です。

 

横紋筋融解症は、

筋肉をつくっている骨格筋細胞に融解や壊死が起こり、

筋肉の成分が血液中に流出してしまう病気です。

 

筋成分であるミオグロビンが大量に流出し、

腎臓に負担がかかる結果、

尿が出にくくなるなどの腎障害を起こしてしまうことがあります。

 

フェノフィブラートカプセルを内服中に

筋肉痛や疲れやすさが出現した場合は注意しましょう。

 

特にフェノフィブラートに先ほど記載したスタチン系を併用すると

この横紋筋融解症のリスクが上がるため原則禁忌になります。

 

またフェノフィブラートカプセルは、肝臓に主に作用する薬です。

そのため、肝機能障害が起こることがあります。

 

横紋筋融解症も肝機能障害も採血で診断できます。

フェノフィブラートカプセルの効果判定も含めて、

定期的に採血を心がけましょう。

 

またフェノフィブラートカプセルの特徴として

1日1回のみの内服で良い点もメリットして挙げられます。

 

フィブラート系によっては1日毎食後の薬もあります。

脂質異常症は基本的に2~3日内服すればよいということは少なく、

毎日内服が必要になります。

このため、1日1回ですと続けやすくなります。

 

フェノフィブラートはジェネリック医薬品として

先発品よりも安く手に入ります。

脂質異常症は1日2日飲んで終わりということはないので、

薬価が安いのは非常に魅力になります。

 

2.フェノフィブラートカプセルの
  適応・投与量・効果は?

フェノフィブラートカプセルは、

高TG血症を中心とした脂質異常症に適応があります。

 

フェノフィブラートカプセルは、106mgから160mgを1日1回内服します。

 

フェノフィブラートカプセルは、

  • フェノフィブラートカプセル67mg
  • フェノフィブラートカプセル100mg

が発売されています。

 

先発品である、リピディル、トライコア錠は

  • 53.3mg
  • 80mg

と,用量が少し変わります。

 

適応疾患は,

高脂質血症(家族性を含む)

となっています。

 

特にフェノフィブラートカプセルなどのフィブラート系は、

主に高TG血症(中性脂肪)が高い症例に使用されることが多いです。

 

一方で、下記の様な注意事項も記載されています。

  1. 総コレステロールのみが高い高脂血症(Ⅱa 型)に対し、第一選択薬とはしないこと。
  2. カイロミクロンが高い高脂血症(Ⅰ型)に対する効果は検討されていない。

 

まず中性脂肪が高くなければフィブラート系は選択されないことから、

「総コレステロールのみが高く、中性脂肪が正常な脂質異常症」に対しては

適応がないということを①では伝えています。

 

次に②ですが、カイロミクロンという

中性脂肪を多く含んだタンパク質(リポ蛋白)が増えてしまう疾患の効果は

検討されていないとされています。

 

カイロミクロンが高いLPL欠損症の頻度は100万人に1人と言われています。

そのためまず患者さん自体が少ないため、

お薬の効果が検討されていないというよりは、

検討できないといった表現が正しいかもしれません。

 

少なくともカイロミクロンは、

通常の採血ではまず測定されません。

 

カイロミクロンが高い場合は、

膵炎などを引き起こします。

 

そういった症状が繰り返し出て疑われた場合に初めて測定するため、

まず普通の脂質異常症の人は気にしなくてよい疾患です。

 

成人の場合のフェノフィブラートカプセルの用法・用量は、

フェノフィブラートを1 日1回成人には

134mg~201mgを食後経口投与します。

 

つまりフェノフィブラートカプセル67mgか100mgを

2カプセル内服することが多いです。

 

フェノフィブラートは、中性脂肪を最もよく低下させるお薬です。

そのため、中性脂肪のみであれば

低用量でもフェノフィブラートは効果を発揮しますが、

中性脂肪だけではなくコレステロールも高い場合は

量を増やす必要があるお薬です。

 

実際にフェノフィブラートを高脂血症患者さんに投与した時の改善率は、

添付文章では記載されていません。

 

しかし同じ主成分であるトライコアでは、81%と報告されています。

それぞれの数値の低下の程度としては、

  • 総コレステロールは9~22%低下
  • LDLコレステロールは17~29%低下
  • HDLコレステロールは25~67%上昇
  • 中性脂肪(トリグリセリド)は33~54%低下

と報告されています。

 

主成分が同じフェノフィブラートも同じ程度の効果があると考えられます。

このように、総コレステロールが1~2割に対して、

中性脂肪は3~5割低下させます。

このため、先ほどのように量に違いがあるのです。

 

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3.フェノフィブラートカプセルの薬価は?

フェノフィブラートカプセルは、

リピディル、トライコア錠のジェネリック医薬品です。

6割程度の薬価で購入できます。

 

次にフェノフィブラートカプセルの薬価です。

フェノフィブラートカプセルは

リピディル、トライコア錠のジェネリック医薬品です。

 

まず先発品のリピディル、トライコアの薬価です。

どちらも同じ薬価なため、リピディルを記載します。

 

商品名 薬価 3割負担
リピディル53.3mg 28.4 8.5
リピディル80mg 37.0 11

※2017年4月6日の薬価です。

となっています。

 

一方でジェネリック医薬品のフェノフィブラートは、

商品名 薬価 3割負担
フェノフィブラートカプセル67mg 16.7 5.1
フェノフィブラートカプセル100mg 21.7 6.5

※2017年4月6日の薬価です。

となっています。

 

先発品と比較すると約6割程度、

フェノフィブラートは安くなると考えて良いでしょう。

 

4.フェノフィブラートの副作用について

フェノフィブラートの副作用で最も注意が必要なのは、

肝障害と横紋筋融解症です。

 

フェノフィブラートの添付文章では、

細かい副作用の記載がありません。

先発品のトライコアの添付文章では、

4,687例中623例(13.29%)に副作用が認められてます。

 

主な副作用は、

  • AST(GOT)上昇、ALT(GPT) 上昇等の肝機能検査値異常
  • 胃部不快感
  • 嘔気等の胃腸障害、
  • 発疹、そう痒感等の皮膚及び皮下組織障害
  • CK(CPK)上昇

などが挙げられています。

 

フェノフィブラートもこれに準じると考えられます。

 

肝機能障害に関しては、

  • AST
  • ALT

などの肝臓の数値が上昇することで分かります。

 

実際にフェノフィブラートを内服すると、

これらの数値が上昇するといった副作用を認めています。

 

ただし症状が出るまで重篤化することは少ないですし、

薬剤をやめれば多くは改善します。

 

注意しなければならないのは、

少しずつ肝臓にダメージが蓄積されるのに気が付かないことです。

 

フェノフィブラートの効果を判断するのも含めて、

内服始めてから3か月以内に1度は採血して確認するようにしましょう。

 

また、フェノフィブラート含めて

フィブラート系の副作用として最も怖い副作用が、

筋肉を溶かす横紋筋融解症です。

 

筋肉が溶かされると、

クレアチンキナーゼ(CK)という筋肉を構成する物質が血液内に増えます。

その副作用がフェノフィブラートでも認めます。

 

横紋筋融解症の症状として、

  • 筋肉痛
  • 筋疲労
  • 褐色尿
  • 倦怠感

などが挙げられます。

 

なお、横紋筋融解症も肝機能障害同様に、

フェノフィブラートの副作用は投与初期にみられることが多く、

その多くは投与をやめることで回復します。

 

そのため、脂質異常症の改善の確認も含めて、

フェノフィブラート内服中は採血で経過観察することが望まれます。

 

肝臓障害の副作用も含めて、

少なくともフェノフィブラートを投与開始してから1か月~3か月の間に、

一度は採血することが推奨されています。

 

5.フェノフィブラートが使用できない疾患は?

フェノフィブラートは、

胆石がある人、腎機能障害、肝機能障害がある人は使用できません。

 

フェノフィブラートが使用できない疾患は、

  • 胆石がある方
  • 腎機能障害がある方
  • 肝機能障害がある方

などが挙げられます。

 

それぞれの項目についてみていきます。

 

まず8割近くの胆石がコレステロールが主成分といわれています。

(残り2割はビリルビンといって胆汁の主成分です。)

 

フェノフィブラートは、中性脂肪を分解して下げるお薬です。

分解した影響で胆嚢でコレステロールの排出が促される際に、

胆石の主成分であるコレステロールが大量に胆嚢内に含まれることがあります。

 

元となるコレステロールが胆嚢内にたまることで

胆石がさらに大きくなるため、

フェノフィブラートを使用する際は胆石がない人と記載されています。

 

胆石発作が起きやすい人は、

脂質異常症にもなりやすいです。

そのため、自分が知らない間に胆石が胆嚢にある可能性があります。

 

胆石が起きやすい人として、

  • 中高年
  • 女性
  • 肥満

の人が挙げられます。

 

太ってる人は脂っこい物を多く食べてしまった人も大勢います。

脂っこいものばかり食べてる人は、

肥満にも胆石発作も起こりやすいのです。

 

そのため心配な方は、

腹部エコーを一度受けてみると良いかもしれません。

 

超音波検査なので痛みはありませんし、

合併症も全くないです。

 

また、検査をしなくても

胆石発作が起こり得るということを知っておくのは大切です。

 

胆石発作は、胆嚢内もしくは胆嚢内からでて胆管内でおこります。

胆嚢がある部位は、右季肋部(右の肋骨下)あたりになります。

 

痛み方としては、突然の疝痛発作がおきます。

疝痛発作は刺しこむような鋭い痛みです。

胆嚢や胆管が収縮する度に起きるため、

波のある痛みであることが多いです。

 

フェノフィブラートを内服する方が右季肋部にこのような痛みが出たら、

胆石を考えすぐに病院を受診するようにしてください。

 

次に腎臓が悪い方です。

具体的にフェノフィブラートの添付文章では、

血清クレアチニン値が2.5mg/dL以上で横紋筋融解症があらわれることがあるため、

禁忌となっています。

 

つまり、副作用が出やすくなるため投与できないとなっています。

 

肝臓が悪い人も同様に、

フェノフィブラートは内服できないとなっています。

フェノフィブラートは、肝臓に作用することで効果を発揮します。

 

一方で、フェノフィブラートを内服する脂質異常症の方の中には、

  • アルコール性肝炎
  • アルコール性肝硬変
  • 脂肪肝

などの人がいます。

 

このような方は脂質異常症も合併しやすいので、

フェノフィブラートを内服させたいところです。

 

ただし肝臓の病気が軽度でなければ、

  • 禁酒
  • 食事療法
  • 運動療法

を徹底して肝機能を改善する必要があります。

 

生活習慣を整えて肝臓の機能が改善してからではないと、

フェノフィブラートは使用できません。

 

また、肝臓の病気が指摘された方は、

フェノフィブラートが処方されても

肝機能が悪化した場合は中止になってしまいます。

 

そもそも脂質異常症の治療自体がお薬だけではなく、

食事療法や運動療法が第一の柱になります。

フェノフィブラートを処方された方は肝臓が悪くなくても、

一度生活習慣を見直してみることからはじめましょう。

 

6.フェノフィブラートで飲み合わせが悪い薬は?

フェノフィブラートと悪玉コレステロール(LDL)を下げる

スタチン系の薬を併用しないように注意しましょう。

 

フェノフィブラートを内服中の患者さんで気をつけなければいけないのは、

スタチン系のお薬です。

 

スタチン系は、悪玉コレステロール(LDL)が高い時に使用される脂質異常症のお薬です。

中性脂肪も低下させますが、LDLに対する効果がより強いとされています。

 

代表的なお薬は、

  • クレストール
  • リバロ
  • リピトール

です。

 

脂質異常症の人は、

LDL・TG(中性脂肪)の両方が高い人も多いです。

 

そういった人は、

「フェノフィブラートなどのフィブラート系とスタチン系両方を使えば良いのでは?」と

安易に考えがちです。

 

しかしスタチン系との併用に関しては、

フェノフィブラートの添付文章では、

両方を同時に使用すると急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいことから、

原則禁忌となっています。

特に腎機能が最初から悪い人には、ほぼ使用できません。

 

治療上やむを得ないと判断される場合にのみ、

慎重に併用することと記載はされています。

 

しかし2017年ではLDLを優先的に下げることが多いため、

LDL、TGの両方の値が非常に高い場合は、

まず悪玉コレステロール(LDL)を下げるためにスタチン系の方から処方します。

 

LDLは動脈硬化の原因となるプラークの元になるため、

LDL高値は非常に危険なためです。

 

そのためフェノフィブラートを内服している方がLDLも高値であるならば、

一度医師に相談してみましょう。

値を見ながら場合によっては、スタチン系の変更を考慮するかもしれません。

 

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7.フェノフィブラートは
  妊婦や授乳中の方に投与してよいの?

フェノフィブラートは、

妊婦・授乳中の方は禁忌になっています。

 

フェノフィブラートは、

添付文章では安全性が確立されていないため妊婦の方には禁忌になっています。

 

また授乳中の方も、

授乳中の婦人には投与しないこと。[ラットで乳汁中への移行が報告されている。]

という一文が記載されています。

 

基本的にこの一文は他のお薬にもほとんど記載されていますが、

フェノフィブラートではあえて禁忌の一覧で授乳者と記載されています。

他の薬では、あえて禁忌の一覧まで授乳者を記載することは少ないです。

 

このことからも、フェノフィブラートは

妊婦や授乳中の方は内服しないようにしましょう。

 

スタチン系の脂質異常症のお薬は、

胎児奇形を認めた報告がありますが、

フェノフィブラートは明らかに何かを認めたという報告は少ないです。

 

しかし脂質異常症は、

フェノフィブラートを内服中止したら一気に悪くなって

何か症状が出るものではありません。

 

そのため、禁忌と書かれているのに

あえてフェノフィブラートを飲まなければいけない理由はほとんどありません。

 

むしろ妊娠可能年齢に、

フェノフィブラートを内服していることが大問題です。

20~40代から脂質異常症を指摘されている方は、

食生活がかなり乱れており、暴飲暴食で肥満の方が多いです。

 

妊娠するしないに関わらず、

食事療法や運動を心がけるようにしましょう。

 

8.リピディル・トライコアと
  フェノフィブラートの効果と副作用の比較

先発品・ジェネリックの効果と副作用は、大

きな違いはないと考えられます。

 

多くの方が気になるのは、

先発品のリピディル・トライコアと

ジェネリック医薬品のフェノフィブラートで効果と

副作用が同じかどうかだと思います。

 

ジェネリック医薬品では、

有効成分は先発品とまったく同じものを使っています。

ですから、効果や副作用の大まかな特徴は同じになります。

 

先発品とジェネリック医薬品の違いは、

薬を作るときの製造技術です。

 

ジェネリック医薬品を作る時に求められるのは、

薬の吸収・排泄と安定性の2つが先発品と同等であることです。

 

実際に先発品のリピディル・トライコアと

フェノフィブラートは、主成分は全く同じです。

 

 

9.フェノフィブラートカプセルが向いてる人は?

  • LDLコレステロールが正常値でTGが高い方

健康診断等でTGの高値を指摘され、

食事や運動などの生活習慣を改善しても

TGコレステロールが下がらない方は、薬物療法の適応となります。

 

一方で現在は、LDLとTGが両方高い人が多いです。

この場合、「LDLを下げるスタチン系とTGを下げるフェノフィブラートカプセルなどの

フィブラート系を両方使用すれば?」と考える人も多いかもしれませんが、

これはいけません。

 

なぜなら両方を同時に投与すると、

急激に腎臓に障害がおき横紋筋融解症のリスクが高くなるからです。

 

そのためどちらの添付文章でも、

スタチン系とフィブラート系を同時に使用することは原則禁忌となっています。

少なくとも、最初から2剤で治療することはまずありません。

 

そうすると、

  • LDL(悪玉コレステロール)
  • TG(中性脂肪)

どちらを優先的に下げるのか?という疑問が生まれます。

 

答えは、悪玉コレステロール(LDL)です。

LDL(悪玉コレステロール)は、

動脈の壁を破壊してコブになるプラークの原因物質になります。

そのため脂質異常症の中でも、

最も最優先で治療をするべきなのが高LDL血症になります。

 

またLDLを下げる第一選択肢がクレストールやリバロなどのスタチン系ですが、

スタチン系単独でもTGを下げる効果があるため、

現在は両方高い場合はまずスタチン系から投与されます。

 

そのためフェノフィブラートカプセルが向いてる人は、

まずLDLが正常値でTGが高値な人になります。

LDLが高い人は、フィブラートよりスタチン系が優先されるからです。

 

特に現在は、第一世代といわれるクロフィブラートカプセルよりも

第二世代のフェノフィブラートの方が効果が高いため、

フェノフィブラートはTG高値の第一選択薬と活躍しています。

 

ただしTGの値は、脂質異常の中でも非常に注意が必要な数値です。

中性脂肪は、食事摂取直後より急激に上昇します。

そのため正確な値を知るためには、

朝起きた後朝食をとる前の絶食時の値が必要になります。

 

絶食の定義は、食事をとってから10~12時間以上たってからなので、

大部分の方は最初の採血は正確なTGの値ではないと思います。

 

一方で食後でも、中性脂肪が165以上だと絶食の数値ではなくても

心筋梗塞や狭心症のリスクが上昇するというデータもあります。

 

そのため、「食後だから中性脂肪が高いのは当たり前」で流すのではなく

必ず医療機関を受診し、正確な自分の状態を確認しましょう。

 

10.フェノフィブラートカプセルの作用機序は?

フェノフィブラートカプセルは、

PPARαと呼ばれる受容体を刺激することで、

中性脂肪を脂肪酸に変化させるよう働きかける作用があります。

 

フェノフィブラートカプセルの働きを説明する前に、

脂質がどのように代謝されているのかを知ってみると良いかもしれません。

 

脂質を取り込まれた後の代謝の順序ですが、

  1. 食事をとることで脂質が取り込まれます。
  2. 脂質が分解されTG(トリグリセリド)が上昇します。
  3. TGが肝臓に取り込まれます。
  4. 肝臓でLDL(悪玉コレストロール)が作られます。
  5. LDLがコレステロールを体中に回します。
  6. LDLがHDL(善玉コレステロール)に変化します。
  7. HDLが余分なコレステロールを回収してまわります。

となります。

 

大切なことは、コレステロールのおおもとである脂質は、

体にとって大切な物質であるということです。

 

コレステロールの働きを具体的にあげると、

  1. 細胞膜の構成
  2. ホルモンの原料
  3. 胆汁酸の原料

などが挙げられます。

 

脂質異常症は、余分にコレステロールがあることが問題になります。

決して、ここに登場するコレステロール・TG・LDLを、

悪者の一言で片づけないようにしましょう。

 

フェノフィブラートカプセルは、

脂肪が分解されて上昇したTGを

PPARα(ペルオキシゾーム増殖剤活性化受容体α)という受容体を

活性化することによって、分解を促進する作用があります。

 

具体的には、

  1. PPARαが刺激される
  2. LPL(リポ蛋白リパーゼ)が活性化される
  3. LPLがTGを脂肪酸に分解する
  4. 脂肪酸は各臓器に取り込まれてエネルギーとして蓄えられる

といった作用があります。

 

PPARαが働くことで、中性脂肪が分解するように働きかけられます。

 

またPPARαは、

  1. アポA-I・アポA-IIという善玉コレステロール(HDL)の元となるたんぱく質を増やす
  2. 肝臓で悪玉コレステロール(LDL)が作られるのを防ぐ

作用もあります。

 

ただしこれらの効果は、

中性脂肪が分解する作用に比較するとわずかです。

そのためフェノフィブラートカプセルは、

TGを下げるのがメインのお薬と考えた方が良いです。

 

ただしフェノフィブラートカプセルでPPARαを刺激したからといって、

食事摂取して分解されたTGを全て脂肪酸に変化するわけではありません。

 

そのため、しっかりと食事療法と運動療法を行ったうえで、

フェノフィブラートカプセルは

効果を発揮するお薬だということを認識しましょう。

 

まとめ

<メリット>

  • トリグリセリド(TG)を中等度に下げられる
  • HDL(善玉)コレステロールを増やす
  • LDL(悪玉コレステロール)も下げる
  • 1日1回の内服で治療できる
  • ジェネリックのため薬価が安い

 

<デメリット>

  • 食事・運動療法なしでは脂質異常症は改善しない
  • 肝障害・筋肉痛などの副作用が起こるケースがある

 

<向いてる人>

  • LDLコレステロールが正常値でTGが高い方

 

 

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