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【働き方改革における医療機関での対応②】~社会保険労務士法人FDL 森山幸一先生より~

 

皆さん、こんにちは。

ジーネット株式会社の梅澤晃子です。

 

 

【働き方改革】が20194月から施行され、

私の中で一番気になっているのが、

“年次有給休暇の確実な取得”についてです。(笑)

 

年一回のダイビングで、

医療従事者の方と一緒になる機会もあります。

 

 

最近は、医師・看護師の募集要項に、

7日間連続休みが可能”といったことを

PRしている医療機関もあり、

有給休暇は取得しやすくなったのかな?と思っておりました。

 

 

医療業界に限らずですが、

強制的に取得出来る制度があれば、

気兼ねなく、休みがとりやすくなるのかな?と。

 

社会労務士の仕事

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回も、前回に続き、

社会保険労務士法人FDL 代表でもあります森山幸一先生に、

20194月に施行された【働き方改革】

“年次有給休暇の確実な取得”について、伺ってみたいと思います。

 

 

働き方改革 “年次有給休暇の確実な取得”

 聞き手:森山先生、前回に引き続き、宜しくお願い申し上げます。

 

森山先生:はい。

     梅澤さんが気にしている様に、

     “年次有給休暇の確実な取得”については、

     20194月から義務付けられています。

 

 

聞き手: 年5日の年次有給休暇の確実な取得ですね。

     これは、正職員や、常勤のみということになりますか??

 

森山先生:いえ。

     対象者は、

     年次有給休暇が10日以上付与される労働者が対象なので、

     パートでも勤務期間が長い人は対象となります。

 

     せっかくなので、年次有給休暇についてみていきましょう。

 

年次有給休暇とは

年次有給休暇は、

使用者は、労働者が雇入れの日から6か月間継続勤務し、

その6か月間の全労働日の8割以上を出勤した場合には、

原則として10の年次有給休暇を与えなければなりません。

 

)対象労働者には管理監督者有期雇用労働者も含まれます。


図5

 

 パート職員にも、

 その人の出勤日数に比例してあります。

 (言い方を変えれば、

  月1回ないし2回のスポット勤務者を除いて、

  毎週1日勤務している人も年次有給休暇は発生しています。)

 

図3

 

 

 

 

※)表中太枠で囲った部分に該当する労働者は、

 2019年4月から義務付けられる

 「年5日の年次有給休暇の確実な取得」(P5P10参照)の対象となります。

(出典:厚生労働省 年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説より抜粋)

 

 

聞き手:なるほど。

    この辺り、これからクリニックを開業する先生や、

    既に、クリニックを開業している先生は

    知っておくべきことなんでしょうね。

 

森山先生:そうですね。

     新聞や、TVニュースや、インターネットで、

     年5日の年次有給休暇の確実な取得については、

     記事になっていたので、情報として知っている

     パート労働者の方も多いと思います。   

 

     クリニック開業する上で、

     パート労働者でも有給休暇10日以上ある方は、

     5日休ませないといけないと押さえておくとよいと思います。

 

     最近は、パート労働者の方からの有給取得のことで、

     院長と職員がトラブルになるケースも多く聞きますので、

     こういった権利については押さえておいていただきたいです。

 

聞き手:この5日間について、

    いつまでに取得させないとダメという期限はあるのでしょうか?

 

森山先生:あります。

     ・年5日の時季指定義務は、

      使用者は、労働者ごとに、年次有給休暇を付与した日(基準日)から、

      1年以内に5日について、取得時季を指定して取得させなければなりません。

 

      例えば、

      201941日 常勤としてクリニックに入職。

      休暇付与日:2019101日に10日付与。

      2019101日~2020930日の間までに、

      5日年休を取得させなければなりません。 

 

計画年休の活用

 

聞き手:なるほど。

    皆が一斉にお休みをとれるクリニックであれば、取得しやすいでしょうけど。。

 

    でもあれですよね??

    今まで有給休暇を使用しないで、

    クリニック全体で夏休みだったのに、

    わざわさ有給休暇を使って休みを取らないといけないとなると、

    ブーイングがでたりしそうですが。。。

 

 

森山先生:そこら辺りは、【働き方改革】の理解をして貰いつつ、

     根気よく周知していくことが必要ですね。

 

     あとは、気兼ねなく、

     年次有給休暇を取得しやすい様に

     【計画年休】を活用されたら良いと思います。

 

具体的には

 森山先生: 具体的には、

       一斉付与方式ということで、

       ・夏季休暇、年末年始に年次有給休暇を計画的に付与し、大型連休とする。

       ・暦の関係で、休日が飛び石となっている場合に、

        休日の橋渡し(ブリッジ)として、計画年休を設ける。

 

       または、個人別付与方式で

       ・閑散期に年次有給の計画的付与日を設け、年次有給休暇の取得を促進。

       ・誕生日や結婚記念日にアニバーサリー休暇として年次有給休暇の取得を促進。

 

       ということが出来ます。

 

 

聞き手:実際、森山先生と関係のあるクリニックにお邪魔した際に、

    院長先生が

    「今年から、働き方改革というものが施行されたので、

     今年から夏休みは、5日間有給休暇で取得して貰うことになったから。

     交替制でね。」と仰っておりました。

 

森山先生:あそこのクリニックは院長先生が、

     そういった労務管理はしっかりされていますからね。

 

年次有給休暇を取得させるだけでよいのか?

 

聞き手:森山先生、

    この年次有給休暇を取得させればよいというものでもないですよね。

 

森山先生:はい。

     使用者は、

     【年次有給休暇管理簿】を、労働者ごとに作成し、

     3年間保管しなければいけません。

 

     また、使用者による年次有給休暇の時季指定を実施する場合は、

     時季指定の対象となる労働者の範囲及び時季指定の方法等について

     就業規則に記載しなければなりません。

 

 

聞き手:就業規則があるクリニックって、稀な印象がありますが。。。

    もし、まだ就業規則を考え中という場合には、

    まずは顧問の税理士の先生や社労士に諸々相談されればよろしいかと存じます。

    

    森山先生、貴重なお時間を頂きまして、有難うございました!

 

 

    当インタビュー記事をご覧になって相談をしたい方は

    下記の連絡先に直接、お問合せ頂くか

    私どもジーネット株式会社にご連絡を頂ければ、

    森山先生とお繋ぎ致します。

 

 

 

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