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スタッフが休憩時間に電話当番をした場合の扱い等について

2017/06/02

カテゴリー税務、労務、法律

 

皆さん、こんにちは。

森山社会保険労務士事務所の代表を務めております

社会保険労務士の森山幸一です。

 

医療は労働集約型産業のひとつですから、

医療機関で働く医療従事者やスタッフ達が

モチベーション高く働いて頂く事で

定着率を高めていく事は経営戦略上も必要不可欠と思います。

 

今回はスタッフが診療時間外に業務を行う際の

取り扱いについて考察してまいります。

 

えー!休憩時間に仕事するんですか!?

病院・クリニックの運営上、

診療時間外であっても

電話対応などが必要な場合が発生することは当然起こってきます。

 

その場合、労働基準法上の定めなどを確認頂き、

職員に対応指示を出すことが重要になります。

 

今回は休憩時間の定義から確認していきたいと思います。

 

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 (1)休憩時間とは

休憩時間とは、勤務時間の途中で、

職員が精神的、肉体的に一切の労働から離れることを

保障されている時間をいいます。

 

すなわち、実質的に法人からの指揮命令から

完全に離れることを保障されている時間となります。

この休憩時間は、勤務時間には含まれず、賃金の支給対象とはなりません。

 

(2)労働基準法による休憩時間の定め

休憩については、労働基準法第34条(休憩)にて、

次の原則を定めています。

 

  • ①途中付与の原則

    ②自由利用の原則

 

この原則それぞれを条文で確認していきますと。

以下の通りとなります。

 

  1. 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分
    八時間を超える場合においては、少くとも一時間の休憩時間を
    労働時間の途中に与えなければならない。

  2. 使用者は、第1項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

※休憩の一斉付与については、
 医療業については、適用除外とされていますので説明を省略します。

 

(3)受付対応や電話当番を昼休みにさせても
   休憩時間として認められるのか

休憩時間の法律上の定めは上記の通りであるが、
ここで『労働時間』の定義を確認すると、
「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」
(三菱重工長崎造船所事件―最一小判平12.3.9)と有ります。

この『使用者の指揮命令』は明示の指示のみならず
黙示の指示も含まれています。


昼休みに受付対応や電話当番をすることになれば、
担当する職員は必ず座席にいることを求められ、
電話の側にいなければならず、
かかってきた電話に対応しなければならないので、
前記③の「自由利用の原則」に反し、
また、その時間は、
完全に労働から離れることを保障されているものとはいえません。

 

一般的な電話当番や来客対応は、
直ちに対応するのが仕事であり、
労働から解放されているとはいえず、指揮命令下にあると評価される。

行政解釈においても、
「電話や来客対応のために待機している時間は労働時間になる」
(平11.3.31基発168)と出されています。

 

こうした考えから、
昼休みに来客対応や電話当番をさせることは、
労働時間に該当し、
その分の賃金を支払う必要が出てきますので注意が必要になります。

 

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(4)昼休みに電話対応などが必要な場合の対処法

① 昼休みの交代制の導入

昼休みを前半組と後半組の交代制とし、
休憩時間をずらすことによる対応が考えられます。

職員が一斉に休憩をとる必要は有りませんので、
休憩時間を守りながら交代で対応を指示していくことが望ましいです。

 

② 労働時間に関する規程の適用が除外されている者が対応する

管理監督の地位にある者は、
労働時間に関する規定の適用が除外されています。
そこで、管理監督者が昼休みの電話や来客対応をすれば、
労働基準法上の問題はありません。

 

このように適切な対処をする事で、

スタッフの職場に対する満足度は上がってまいりますね。

 

次回は、移動や着替えの時間が労働時間になるか、

について説明していきたいと思います。

 

 

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